入社試験も進化する
過去ブログでも何度もご紹介していますが、当社は採用するのに入社試験を必ず行っています。
入社試験の内容とは「モデリング手法を用いた塗り壁トレーニング」です。
「IPadの映像をお手本に、2時間でどれだけ真似できるようになれるのか?」が課題です。
この入社試験は2012年から取り入れています。
(右側は技能五輪銀メダルの藤木君の入社試験の時の写真です)
この入社試験を取り入れてから、ほとんど離職者がいなくなりました。
(この5年間で18名採用、うち離職者1名)
職業適性をきちんと見極める事は、新規採用にと〜っても重要だと思っています。
前回のブログに登場したこの春入社する高校生2名も先輩方と同じように入社試験を受けました。
(10月に行われた入社試験の模様)
昨年の入社試験では1年生の千夏先輩がコーチでした。
実は昨年から入社試験の課題が塗り壁トレーニングだけではなく、もう1科目増えました。
それは「数学の試験」です。
私達左官技能者はお客様から指定された寸法通りに作らなくてはなりません。
そのためには、最低限の算数、一般的な計算はもちろんのこと、面積、体積までは計算できる能力が必要となります。
ということで、昨年度の入社試験からは「塗り壁トレーニング」と「数学の試験」という2教科制となりました。
今回合格した2人にそれぞれ面白いエピソードがあるのでご紹介します。
1人目高校三年生男子(今は高校生なので名前は秘密)
彼は入社試験で塗り壁トレーニングは合格。でも、残念ながら数学は合格点に届きませんでした。
そこで、試験後会社に呼び「君は塗り壁トレーニングは合格でしたが、数学の試験は残念ながら不合格です。君をただの労働者としてうちの会社が利用しようと思えばできる。でも、私はそういうことはしません。左官という仕事はただ体を動かせばできるという簡単な仕事ではない。たとえば壁を塗ろうとした時に、壁の面積はどれくらいで、材料がどれだけいるのか?と計算もできなければならないし、お客様に指示された寸法通りに仕上げるにはある程度の計算は出来なくてはならないし。そういったことが1人で出来る技能者を育てていくのがうちの会社です」と。
そして「君にもう一度チャンスをあげます。1ヶ月後にもう一度数学の試験を行います。もしうちの会社にどうしても入りたいのであればこの一ヶ月間、頑張って数学を勉強してきなさい。」と。
すると「頑張ります
」と彼。
うちの平木君が本屋さんに行って算数のドリルを買ってきて、彼にプレゼントしました。
それから1ヶ月間、彼は学校の放課後、先生に協力してもらったり、自宅でも頑張ったそうです。
それまで積極的に勉強したこともなかったはずです。
彼の姿に先生も親御さんもきっと驚いた事でしょう〜![]()
その結果、しっかり成績を取れるまでに数学を学んできて追加試験で無事合格〜![]()
というお話し。
2人目の高校生女子
実は・・・去年の千夏もそうだったのですが、こんなこと書いたら怒られるかもしれませんが「女子の採用は正直考えていませんでした。」
なんたって左官という仕事は、男だって体力がないと、つとまらないほどの重労働です。
なので女性にはハンデが大きすぎるよな〜と正直思っています。
が、しかし![]()
うちに来る女性陣は、その思いを吹き飛ばすほどセンスが良いんです。
今回の彼女も塗り壁トレーニングで見せた左官センスは抜群でした。
おまけに数学のテストもほぼ満点〜![]()
それでも心配でした・・・「うちの男所帯の中で大丈夫だろうか?」と。
そこで平木君に「彼女を工事現場に連れて行って、実際にやっている仕事や姿、工事現場の雰囲気を見せてやってくれ。それでもやりたいですというのなら入社を許可しよう」と。
その結果、平木君からの報告「社長、よけいにやる気出しちゃいました」と。![]()
「まじか
そこまで言うのなら入社してもらおう」ということになったのです。
さらに彼女、入社試験の時には、後半では左手が上がらなくなっていたのに、前回のブログでお伝えした女子大生との塗り壁対決の時には全然そんなそぶりも見せていなかったので、「今日は左腕全然辛そうじゃないね?なんかトレーニングしてるんじゃないのか?」との私の問いに「実は3キロのバーベルで鍛えています」と腕を動かすジェスチャーを見せて恥ずかしそうに・・・![]()
というお話し。
いや〜あらためて、今どきの若い子達は本当に素晴らしい〜![]()
入社試験の時に2時間、そして前回の塗り壁体験で2時間、コテを持ってたった4時間でここまで出来るようになりました。
この2人、4月からの訓練校に向けて最高の準備が整っているようです〜
頑張れよ〜![]()
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