グラデーションの版築 | 中屋敷左官工業(株)
2017-05-29 05:31:53

グラデーションの版築

テーマ:版築

先週のつづき・・・

モールテックスの見本を現場にお持ちしたある日のこと。

エントランスに大きな壁があるのですが、オーナー様から「中屋敷さん、なにか良い仕上げありませんか?」というご相談をいただきました。

 

そこで私が提案させていただいた仕上げは「版築」

 

版築とはもともと古くからある工法で、板などで枠を作り、その中に土を建材に用いて強く突き固めていく工法で、

堅固な土壁や建築の基礎部分を徐々に高くしていく工法を指し、日本では法隆寺の築地塀が有名である。

 

この工法は土を突き固めては順次高くしていく工法のため、仕上がると地層のような模様になるのが特徴で、

最近では挟土秀平さんがペニンシュラホテル東京のフロントの背面に施工された作品が有名です。

色のグラデーションを付けてあってとても美しいですね〜

 

ここ数年、版築仕上げが注目されていて当社でも何件か施工させていただいています。

これは新千歳空港の3階にある「八雲」というお蕎麦屋さんの版築です。

地層のように見えるこの仕上げ、なかなかワイルドでかっこいいんですよ〜

 

こちらの版築、どうやって作られたかご興味のある方はこちらをご覧下さい。

千歳空港の版築現場リポート

千歳空港に行った際は是非ご覧下さい。グラサン

 

実はこの「版築仕上げ」を新しい左官のデザインとして一番最初に世に発信したのは久住章さんなんですよ〜

時は1995年、なんと今から20年以上も前に「版築仕上げ」を世に提案していたんです。

本当に、久住章さんという方は凄いお方なんです〜

 

話しを現場に戻しましょう。

今回の版築はホテルのエントランスの壁ということで、ワイルドさというよりはやや上品な感じで提案させていただこうかな・・・と。

一番最初にご提案させていただいたサンプルがこちら。

赤みの強いのと、黄色みの強い2種類。

表面から見るとたいしたことは無いのですが、この見本、実はとんでもなく重たいんです!

何故かというと、横から見るとこんなです。

なんと厚みが50センチ近くもある。

 

今回の施工する壁というのがこちらです。

高さ2.5メートル、幅4.5メートル、小口50センチの壁。

この壁を裏表ぐる〜っと一回り版築で仕上げようというとんでもなく難しい工事。

 

さらに今回難しさを増すのが、色のグラデーションなんです。

一色の版築ならなんてことないのですが、オーナー様から「足下から徐々に色が変化していくようにして欲しい」とのリクエスト。

 

いやいや・・・どれだけのサンプルを作ったことか・・・

地層の幅も広くしたり、細くしたり、色も濃くしたり、薄くしたり・・・グラデーションもわざとらしくならないように色の配合を決めていくのがこれまた大変でした。

 

最終的に決まったのがこちらのサンプル。

足下が左のように濃い色で上にしたがっていくに連れて薄くなっていって、最後は明るめの色にするという

グラデーション。

地層の幅も1段10センチで合計26段の地層の模様を作る事に決定。

 

26段ということは、色も26色の配合ということになり・・・

もう大変すぎて、頭がおかしくなりそうでした〜

 

こうして猛烈に難しいチャレンジが始まりました。

 

つづく・・・

 

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