土壁のいろは その③
一昨日のつづき。
さて、下地窓はどんな風に変化していったのでしょう?
ベニヤ板に下地窓のパーツを固定して、下ごすり、付け送り、ちり塗り、中塗りと進んでいくのですが、
土の収縮をあらかじめ想定して、その場所その場所で砂の配合を変えて幾重にも仕上げていくその技術はとてもではありませんが、自分の力で見つけられるはずがないと確信しました。
写真ではわかりずらいですが、久住親方が書いてくださった納まり図面です。
それをうまくできる人のやり方をすべて丸ごと真似てみる。
1年生、4年生、20年生の3人に、1人に一台づつ下地窓の架台を与え、その技量に合わせて仕上げも与えていくという久住親方の指導法には脱帽でした。
この日は千夏も藤木君も窓の角ばかりをやっていました。
こちらは篠岡君の作品。
コーナーに和紙を貼って角をぴーんと出してあります。
これは見ただけで難しそうですよね〜
同じ下地窓という架台でこれだけ技量の差がある全員が楽しく学べます。
久住親方は「親方デスク」に腰掛けて3人の塗り姿を見守り、指導してくださいました。
正面からもパチリ。
と〜っても素敵な笑顔です。
こうして3人の下地窓が出来上がりました。
1年生の千夏の下地窓はなんと、水ごね仕上げ。
4年生の藤木君の下地窓はちょっと長めのすさが配合されている切り返し仕上げ。
でもちょっと失敗作で、藤木君くやしそうでしたね。
20年生篠岡君の下地窓は角がぴーんと仕上がった水捏ね仕上げ。
さすが先輩の貫禄というところでしょうか。
篠岡君のもう一枚の作品丸窓バージョン。
京錆び土の引き摺り仕上げ
かっちょいい〜
これは是非どこか住宅や店舗でやりたいですね〜![]()
いかんせん各自初めてなので反省点はたくさんありますが、最後までやり遂げた感があって、と~ってもいい研修架台だと思いました。
さらにこの架台の良いところは裏面をもう一度施工できるということです。
つまり「裏面でもう一度復習ができる」ということ。
これは今後の研修でも使えるな・・・と。
現在考えている中期プログラムにも取り入れられそうな課題ですね。
そして最後に親方の作品をご紹介しましょう![]()
これは過去ブログでもご紹介しましたが、竹中工務店のイベント「土壁の真行草」で久住親方が制作した下地窓。
真の壁
オーラが違いますね。
土壁だけでこんなに緊張感を出せるんです!
行の壁
先ほどの角がぴーんとなった緊張感から角に少し丸みをもたせ、壁の表情もすさの柔らかさを表面に出して、全体的にやわらかい感じに仕上げてあります。
草の壁
こちらは京錆び土の引き摺り仕上げ。
まさに侘び錆びの世界〜
あ〜ったりまえですが、親方の作品は生徒達の作品とはやはり違いますよね〜〜![]()
でも材料の配合から作り方はわかりました。
最高の完成形もわかった。
あとは何の迷いもなく練習あるのみです![]()
こうしてあっという間の10日間が終わりました。
たくさんのサンプルも出来上がり、最高の学びをいただきました。
当社の土壁の可能性が大きく広がるきっかけをいただきました。
そしてあらためて久住章さんという方のすごさを感じた10日間でした。
最終日は全員でジンギスカンで〆。
久住親方、本当にありがとうございました![]()

















