土壁のいろは その② | 中屋敷左官工業(株)
2017-03-20 05:35:00

土壁のいろは その②

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

土壁のいろは、習うのは土のことだけではありません。

左官技能とは「技術」と「材料」と「道具」の組み合わせで成り立っています。

この日はそのなかの「道具」である鏝について。

 

鏝の形はなぜこうなっているのか?

久住親方の話に3名釘付けです。

久住親方はご自分の鏝もたくさん持ってきてくださって、その鏝の一丁一丁にこだわりが詰まっていました。

鏝の一部分を、ほんのわずかコンマ何ミリ削ってあったり、丸めてあったり、そのこだわりと理論に一同唖然・・・

 

今回は事前に京都の中内建材さんよりたくさんの種類の土、苆(すさ)を取り寄せておき、土の種類、すさの種類の組み合わせで、仕上がりがどれほど変わるのかをたくさん教えていただきました。

京聚楽土、浅黄土、稲荷山黄土、京錆土・・・

それにあわせるスサも、ふるいの目を変えて、スサのサイズも何種類にも変えてサンプルが作られました。

同じ土でもスサのサイズ、太さなどを変えるだけで、仕上がりの表情がまったく違うんです。

 

「土壁ってなんと奥深いのでしょう・・・」

 

実は私はこの期間、道場には極力いないようにしたんです。

超一流職人さんとの時間を少しでも集中できるように。

私みたいのがいるとノイズになるだけなので、行っても一日一回15分から30分程度でした。

 

この日は1年生の千夏が90センチ角の見本板に向かって鏝を動かしていました。

その脇で久住親方が厳しい視線でその姿を見ていました。

「あかん! もう一回そこめくって」と珍しく厳しい口調で。

「今日はこの子に水捏ね仕上げをやらせてるんよ」と久住親方。

 

水捏ね仕上げといえば、糊を一切入れない土と細かいスサだけで練られた材料を薄く塗って仕上げるという土壁でもとても難易度が高いといわれる仕上げです。

それをまだ鏝を持って10ヶ月程度の新人の女の子にやらせるとは、これまたびっくり!

 

水捏ね仕上げとは、分厚~い水捏ね用の撫で鏝で仕上げていくのですが、

千夏は親方の水捏ね撫で鏝で塗っていたんですよ~

 

藤木君の話によると「千夏、久住さんにものすごいしごかれてました」と。

「よっぽど千夏は見所があるんだろうな」と私は藤木君に答えました。

 

翌日、道場に見に行って見ると・・・

 

「これ千夏が仕上げたの!!」ポーン

とても一年生が塗ったとは思えない仕上がりに驚きました。

「だいぶよくなったけどな。でもまだまだ中塗りを練習せなあかんわ」と久住親方。

 

久住親方は、ちょっと見ただけでその職人の今の技量だけではなく、将来の可能性まで見抜いてしまうんです。

 

本当に凄いお方です・・・

 

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