特殊左官の歴史 その1 | 中屋敷左官工業(株)

特殊左官の歴史 その1

当社は今でこそ新しいことに様々チャレンジしておりますが・・・

私が会社を引き継いだ17年前はと言うと、色合わせの技術もありませんでしたし、特殊左官も何一つ無くただ毎日、野帳場のコンクリートビル関係の仕事をしておりました。

左官屋の社長になる!と決めてから、
「どうせやるならおもしろいことをしたい!」と。

そこで現場監督時代に、左官屋さんだったらこの技術もってたらいいよなぁ、と思っていたのが色合わせ技術。
それともうひとつが、人がやったことがない、もしくは当社でしかできないものをやりたい!
この二つの思いがスタートでした。

コンクリート打ち放しの色合わせ技術の生い立ちは、過去ブログでお伝えしているので、今日は特殊左官についてお話しようかと。

当社の特殊左官の代表的なものの一つに、現場テラゾーがあります。

現場テラゾーとはセメントに石の砕石を混ぜ込んで塗り付け、乾燥した後に、表面を研ぎ出し仕上げる工法です。
擬石ですね。

当社の代表作がこれ。
札幌市内にある「玉響」(たまゆら)という和食のお店にあります。
長さ4メートルくらいの一体型のカウンターで、ご飯を炊く竃と焼き場が一緒になっています。
$中屋敷左官工業(株)-玉響
知らない人がみたらまず、巨大な石にしか見えません。
「どうやってこれをここまで運んできたのですか?」と聞かれます。

$中屋敷左官工業(株)-玉響1

元々、現場テラゾーというのは主に建物の床に使われてきた左官の工法でした。
$中屋敷左官工業(株)-床

それをカウンターにしちゃおう!
ある意味、いままでなんでそんなアイデアが浮かばなかったんだろう?っていうくらい、考えてみればありそうなアイデア。

それが浮かばないんですよね~!

このアイデアは私が考え出しました! 
というのならかっこいいんですが、実は違います。
ある人との出会いがこの作品を生み出しました。

そのある人とは、長谷川 演さんというインテリアデザイナーです。

長谷川さんと初めてお会いしたのは、長谷川さんデザインの住宅に、当社が塗装さんの下請けで50㎡程度の外壁のジョリパットを施工させていただいたのがきっかけで、その仕事を気に入っていただいたオーナーさんがホームパーティーに私を呼んでいただき、その場に長谷川さんがいらっしゃったのが出会いでした。

ホームパーティーの帰り道、長谷川さんが「現場テラゾーってできるの?」と。


「はい、できます!」と。

「現場テラゾーで竃を作りたいんだけど、できる左官屋さん探してたんだよね。事務所に来てくれます?」と長谷川さん。

「はい、わかりました」ということで、この話はスタートしました。

実はその時の私、現場テラゾーという言葉は聞いたことがありましたが、正直、どういうものか、どうやって施工するかもわかりませんでした。

アホじゃないの?

はい、アホかもしれません。

その時の私の心には「今までやったことがある人がいるんだから、うちにもできるはず!」
できるかできないかより、「是非やりたい!」という気持ちでいっぱいだったんです。

でもね~そんなに世の中甘くはありませんでした・・・・

つづく。