Sounds of joy235 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡




勉強を終えてうーーーんって伸びをしていると、部屋のドアをノックされた。


「雅紀。いいか?」

「ああ。どうぞ」

珍しくほろ酔いな父ちゃんが部屋に入って来ると俺が広げていた参考書に手を伸ばしてきた。


取られてたまるか!と急いでそれを胸に抱き抱えると、父ちゃんはクスクス笑っていた。

父ちゃんのこんな顔を見たのはいつぶりだろうか。

そう思いながら父ちゃんを見上げていると、父ちゃんは俺の想像をしてもいなかったことを言い始めたんだ。


「さっき櫻井先生と会ってきたよ。彼はすごいな。病院のことも診療所のこともお前のことも真剣に考えているんだな。そしてあの真面目で素直すぎる性格ときた…」

「は?ちょっと待て!何言ってんのか分かんねぇ」


「ははは。酔っ払った親父の言葉だよ。…とにかく櫻井くんにお前を託してきた…」

「は?え?なに?櫻井くんって?は?俺を託したって???は?」


「落ち着け。櫻井くんに宣言してきたよ。お前を立派な獣医師にしなかったら、俺は何度でもお前を医学部受験させて医師にするってな」

「は?え?ええ?」


「お前は幸せだな。素晴らしい人をつかまえたな」

「……」

クシャクシャと俺の頭を撫でてから父ちゃんは部屋を出ていった。


何があった。

何を俺は言われた?

えっと…。



ポクポクポク…

ポクポクポクポクポクポク…

…チーン…


「やったあああああーーーーーー!!!!」


椅子を跳ね除けベッドにダイブして枕を抱え込みながらゴロゴロした。

ゴロゴロしながら喜びを爆発させた。


俺の獣医学部受験が認められた。

そして俺と翔ちゃんの交際も認められた!!

翔ちゃんのことを父ちゃんが分かってくれた!!


すげー!!

めっちゃすげー!!!


今すぐ翔ちゃんに会いに行きたい。

だけど父ちゃんと呑んでいたことでとんでもなく翔ちゃんは緊張していたに違いない。

そして今頃はベッドに倒れ込んで寝落ちしているだろう。


ああああ、会いたい会いたい!!

めっちゃ会いたいのに!!

会って抱きしめてめっちゃキスしたい!!


くっそ!

この離れた距離がもどかしい!!


ベッドでのたうち回りながら、スマホのフォルダにめっちゃたくさんある翔ちゃんの笑顔を見つめ続けていたんだ。


翔ちゃん、明日の朝イチで診療所に行くよ。

予備校の講義の前に顔を見に行くよ。


ちゅ


スマホの中の笑顔の翔ちゃんにキスをした。




明日いっぱい抱きしめさせてね、翔ちゃん!