※まず、空中に宝塔が建ったのです。宝塔の中で釈迦牟尼仏と多宝如来の二仏が並び、「みんな、私の説法を聞くために集まったのだな」と言ったのです。
人類を救う 100万人の法華経入門 『妙法蓮華経見宝塔品第十一』について 19
「即時に釈迦牟尼仏、神通力を以って、諸の大衆を接して、皆虚空に在(お)きたもう。」
即時に釈迦牟尼仏、神通力を以って、諸の大衆を接して、皆虚空に在(お)きたもう。
「大音声を以って、普く四衆に告げたまわく、」
大音声を以って、普く四衆に告げたまわく、
「誰か能く此の娑婆国土に於いて、広く妙法華経を説かん。」
誰か能く此の娑婆国土に於いて、広く妙法華経を説かん。
「今正しく是れ時なり。」
今正しく是れ時なり。
「如来久しからずして、当に涅槃に入るべし。」
如来久しからずして、当に涅槃に入るべし。
「仏此の妙法華経を以って付嘱して在ること有らしめんと欲す。」
仏此の妙法華経を以って付嘱して在ること有らしめんと欲す。
仏様は「お前達を空中に呼んだのは、法華経を説くためです。私は間もなく涅槃します。涅槃していた所から出てきたのです。お前達を残していくぞ」と言われたのです。
「爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、」
爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、
「聖主世尊 久しく滅度したもうと雖も」
聖主世尊、久しく滅度したもうと雖も
「宝塔の中に在(いま)して 尚法の為に来りたまえり」
宝塔の中に在(いま)して、尚法の為に来りたまえり
「諸人云何ぞ勤めて 法の為にせざらん」
諸人云何ぞ勤めて、法の為にせざらん。
皆が集まったので私は滅度します。宝塔において、どうして皆を呼んだのかというと、この法を私が滅度の後に誰が説くのかを教えるためです。集まった諸人を皆、空中にあげてあげたのですから、お前達も法華経を説きなさい。
「此の仏滅度したまいて 無央数劫(むおうしゅうこう)なり」
此の仏滅度したまいて、無央数劫(むおうしゅうこう)なり。
この時にいた仏様は滅せられたのです。無央数劫(むおうしゅうこう)という長い時間が過ぎたのです。
「処処に法を聴きたもうことは 遇い難きを以っての故なり」
処処に法を聴きたもうことは、遇い難きを以っての故なり。
仏様に会うということは、遇い難きことなのです。もう、仏様は空中からいなくなっているのです。集まった皆さんが、法を説くのです。あちこちで法を説きだしたのですが、仏様に会うことは、非常に難しいのです。仏様には、滅多に会うことはできません。
「彼の仏の本願は 我滅度の後」
彼の仏の本願は、我滅度の後
「在在所往に 常に法を聴かんが為なり」
在在所往に、常に法を聴かんが為なり。
私がなぜ、滅度するのかというと、お前達が法を説くためです。私は滅度したのだから、もう出てきません。でも、お前達を通して法華経の神髄を人々に伝えなさい。
「又我が分身 無量の諸仏」
又我が分身、無量の諸仏
「恒沙等の如く 来れるは法を聴き」
恒沙等の如く、来れるは法を聴き
「及び滅度の 多宝如来を見たてまつらんと欲して」
及び滅度の、多宝如来を見たてまつらんと欲したのです。
釈迦牟尼仏も多宝如来も滅度しているのです。死んだものを見ようと思っても、見ることはできません。見えないけれど、『妙法蓮華経如来寿量品第十六』で、「仏の正体とは何であるのか?」という布石を打っているのです。
まず、空中に宝塔が建ったのです。宝塔の中で釈迦牟尼仏と多宝如来の二仏が並び、「みんな、私の説法を聞くために集まったのだな」と言ったのです。大衆は、「私もお釈迦様の傍に行きたいのです。どうか、法を聞かせてください」と言ったのです。お釈迦様は、遙か雲の上にある天にいるのです。「よし、わかった。皆を空中にあげてあげましょう」と言われて、「衆生が空中に浮いて、釈迦牟尼仏と多宝如来の近くに運ばれた」という話です。(20に続く)
『妙法蓮華経見宝塔品第十一』
即時に釈迦牟尼仏、神通力を以って、諸の大衆を接して、皆虚空に在(お)きたもう。
大音声を以って、普く四衆に告げたまわく、
誰か能く此の娑婆国土に於いて、広く妙法華経を説かん。
今正しく是れ時なり。
如来久しからずして、当に涅槃に入るべし。
仏此の妙法華経を以って付嘱して在ること有らしめんと欲す。
爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、
聖主世尊 久しく滅度したもうと雖も
宝塔の中に在(いま)して 尚法の為に来りたまえり
諸人云何ぞ勤めて 法の為にせざらん
此の仏滅度したまいて 無央数劫(むおうしゅうこう)なり
処処に法を聴きたもうことは 遇い難きを以っての故なり
彼の仏の本願は 我滅度の後
在在所往に 常に法を聴かんが為なり
又我が分身 無量の諸仏
恒沙等の如く 来れるは法を聴き
及び滅度の 多宝如来を見たてまつらんと欲して
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