秩父困民党事件 | 中杉 弘の徒然日記

中杉 弘の徒然日記

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ユニークな視点で書いています。

 明治17年に秩父困民党事件がありました。これに出てきたのが、有名な大河ドラマ『獅子の時代』です。菅原文太、加藤剛、大原麗子が出演している大変面白いドラマでしたが、当時の悲惨な状況がよくわかるドラマでした。

 僕はDVDを持っているのですが、時代劇チャンネルで夜中に総集編を見ていて思い出しました。登場人物は架空ですが、実際にこんなことがあったのだろうと思われます。今、特に憲法改正の論議があがっていますが、秩父困民党が要請したものは憲法改正だったのです。

 「自由民権」という旗を掲げて最後、菅原文太が明治政府の軍隊に突っ込んでいくのです。「憲法改正ろ!」ということです。伊藤博文は明治時代に公侯伯子男をつくったのです。憲法改正して、公侯伯子男をつくり、身分制度を明らかにしたのです。

 こんな憲法があるのでしょうか。「我々は自由を求める。公平を求める。平等を求める。」国民の自由が保障された憲法ならばよいのですが、公侯伯子男という貴族をつくってしまったら徳川時代と同じです。

 伊藤博文は「我が国は民度が低いから、貴族階級をつくっておかないともたない」というのです。加藤剛演じる刈谷は架空の男ですが、「そうではないでごわす」と言うのです。「こんなことのために明治維新をやったのか」ということです。大変面白いドラマです。

 今回の憲法改正もそうです。官権は自分達の権力を強めるために憲法を改正したいのです。権力を強めるのです。国民の側から言えば、国民のための憲法でなければいけません。政府がつくった憲法ならば、政府が有利なように徴兵でも戒厳令でも何でもできてしまう憲法になってしまいます。そうなると時代の逆戻りです。この祭、よく考えてもらいたいと思いました。

 我が国で一番欠けている憲法改正の問題は、天皇の地位です。天皇に主権があれば国民に主権はありません。そうすれば貴族などという考えは起きてきません。主権は天皇しか持っていないのですから、公侯伯子男は権力などもっていません。

 天皇の下には国民がいます。政治家も国民です。天皇の側に主権があって、国民には主権がなければスッキリするのです。これならば平等です。

 そして、天皇はです。何故、神であるのか? 屁理屈を述べているのではありません。これが日本の伝統です。これを大事にすることが、西部邁の言う保守主義の大事な考え方です。それを否定するならば、こんな憲法はいりません。

 我が国のものの考え方、日本人として「このように考える」「日本人は長年このようにして生きてきた」ということを憲法に盛り込まなければいけません。何故、西洋の憲法に範を取って、それを真似しようと思うのでしょう。

 そんな憲法をつくるならば、憲法などいりません。憲法破棄でよいのです。成文法を破棄して、伝統の慣習法に戻ればよいだけです。

 本当の国體(こくたい)を今の憲法学者がわかっていると僕は思えません。政治家も国體をわかっていません。歴史学者も根底が狂っているから国體などわかりません。その連中が憲法をつくってどうするのでしょう。誰が憲法をつくるのでしょう。国體もわかっていない連中が草案などつくる資格があるのでしょうか。絶対にありません。

 欽定憲法は天皇の名において憲法を発布するから、これはよいのです。政治家が自分たちの都合よくつくった憲法など意味がありません。それでは政治家は縛れません。それならば慣習法に帰り、言葉遊びは止めてしまえばよいのです。

 今、日本で政治について語れる人間は誰もいません。それはなぜであるのか? 天皇を神だと思っていないからです。天皇を神と思っていないからものの考え方がわからないのです。

 天皇は神だからこそ、仏教を信じてはいけません。お妃はキリスト教徒ではいけないのです。これをスッキリすれば日本から災害はなくなるのです。

 仏教徒になったり、キリスト教徒を入れたり、西洋の真似事などしてはいけません。日本は全く違う国家です。「天皇は神である」ということから始めないと憲法改正は成功しません。

 

 

■自民党 日本国憲法改正草案

(前文)
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。

日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。

我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。

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■自民党 日本国憲法改正草案

(天皇の権能)
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。

〔削除〕
〔削除〕

 

●現憲法

第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

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■自民党 日本国憲法改正草案

第十一章 最高法規
〔基本的人権は削除〕

 

●現憲法

第十章 最高法規
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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■自民党 日本国憲法改正草案

(憲法尊重擁護義務)
第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない
国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。

〔天皇は削除〕

 

●現憲法
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
 

※憲法を守るのは権力者国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」であり、自民党憲法改正草案では、全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」国民にすり替えられている。

 

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