UFOディレクター、ヤオイズム | 中杉 弘の徒然日記

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UFOディレクター矢追純一さんが『ヤオイズム』という本を出しています。2015年発行なので、ごく最近の本です。僕も読んでみたのですが大変面白い本です。

矢追さんは急満州の新疆に生まれて、敗戦を体験して乞食同様、家もなくなったのです。アメリカ軍、ロシア軍、中国軍が入り乱れている中で、日本人は生きていくのが大変な時代でした。

女はすべて強姦されたのです。それは矢追さんのお母さんも危ないとみています。それは言わないでしょう。矢追さんはお母さんに「お前、着物を売って来い。売れるまで帰ってくるんじゃない!」と言われたのです。そのおかげで矢追さんは物を売ることができる人間になったのです。どんな物でも売ってしまう智恵が身に着いたのです。

満州にいたころは、戦後家を追い出されたのでかっぱらいもやったのです。後ろから拳銃で撃たれて、前を走っていた奴が死んでしまったのです。自分は助かったのです。前の人と自分は10センチの身長差だったのです。矢追さんは10センチ背が高かったら、弾が自分に当たっていたと言うのです。

そのときに、リヤカーでかっぱらった荷物は手放さないで逃げたのです。相当苦労したのです。そのような生死をさまよう経験が何度もあったのです。「人生10センチで生死が決まってしまうのだな」とこれも大きな学びであったのです。

自分としては無理したこともないのです。東京へ帰ってきて高等学校に入学したのです。そこで、3つのバイトをしながら、2人の妹を養ったのです。お父さんもお母さんも死んでしまい、高校生の自分が2人の妹を養ったのです。

昼間は建築会社で働き、バンドボーイ、エレベータボーイもやったのです。矢追さんは自分も高校を卒業して、妹たちを育てたのです。矢追さんは立派な人だと思いました。

そして、矢追さんは大学は「東大に行こう」と思ったのですが、高校時代勉強したことがないのです。東大は無理だと思ったけれども受けてみたのです。一次試験は合格したのですが、二次試験で落ちたのです。私立では中央大学の法学部の試験を受けたら合格したのです。勉強したのは「傾向と対策」の問題集だけです。それを1冊読んだだけで、合格してしまったのです。中央大学法学部からは裁判官が大勢でます。東大以上です。

それも学校へ行かないで、4年間首席で卒業したのです。矢追さんは頭がよいのです。全然勉強していないのです。そこで、矢追さんは「努力をしたことは一度もない」と言っているのです。これが大事な点です。

努力はしないのです。ただ、目標だけは決めるのです。目標を決めて、その道を行くのですが楽しみながら行くのです。ねじり鉢巻きで「嫌だ!」とうなりながら、勉強したことなど一度もないのです。受験勉強もラクにやって、合格したのです。そのような生き方をしていると、どんどんよい方向へ向かっていくのです。

中央大学の四年生のときにエレベータボーイをやっていたのです。そこに変なオジサンが来て「君ももう卒業だろう。内の会社を受けてみないか?」と言われたのです。「どこですか?」と聞くと「日本テレビだよ。あそこは紹介がないと入れないよ。俺が紹介してやるよ」と言われて、入社試験に行ったら、400名もいたのです。「これはダメだ」とさすがに思ったのです。

でも結果的には入社してしまったのです。矢追さんは運がよいのです。「いつも僕は運がいいのだよ」と言っています。弾にも当たらなかったし、ドロボウしても捕まらなかったし、バイトもすぐに見つかったし、それは努力をして目標を設定してやってきたことなど一度もないのです。楽に自然の流れにあうようにやってきたのです。

一番傑作なのは、満州から東京に帰ってきて中学に入ると先生が、「これから川に泳ぎに行こう」と言ったのです。当時、天候が悪かったのですが、皆を連れて多摩川に行ったのです。先生が先に「俺が先に入る」と川に入ったのです。すると、突然大きな流れがきて、先生が流されてしまったのです。自分も流されて死ぬと思ったのです。

矢追さんは「自分も死ぬのだから楽しいな。俺はまだ人生で死んだことはないから、これは楽しいことがおきるのかな」と思い泳ぐのを止めたのです。楽になって流れに身を任せたのです。するとプワプワと浮いて砂地にたどり着いて助かったのです。先生は死んでしまったのです。

そのような経験から「生きよう」と必死でもがいてもダメなのです。腹を決めてやれば、助かってきたのです。受験勉強もしないのに合格したのです。お母さんが教えてくれたことは「お前、勉強するな」ということです。

矢追さんが本を読んでいると「本なんか読むな!」と怒られたのです。「本などから勉強することはない。お前は実際に物を売って、現場から物を学ぶのだ」ということをお母さんは言いたかったのでしょう。現場にぶつかれば、人間はどんなことでもできるのだから、本など読んで頭でっかちになったら間違ってしまうのです。

そこで矢追さんは「私は死ぬのは怖くないのだ」と言うのです。何故、怖くないのかというと、人生は観念です。本当の人生を生きている人はまずいないのです。皆、経験則です。何かで経験したことを頭の中で思い出したり、本を読んだことを思い出して「死ぬとはこのようなことだな」と思い出すのです。

頭に思い出したものは観念です。死というものに直面して、それを見ているわけではないのです。頭の中で「死は大変だ。死は怖いぞ!」という観念が出てくるのです。本を読んでいる人間は何でもそうです。先に観念が出てきてしまうのです。現実ではないのです。

もうちょっと高尚な言い方をすると、バーチャルリアリティーといいます。過去に経験したことを頭でまとめて、バーチャルリアリティーに組み上げて、人生に向かっているのです。

人生はバーチャルリアリティーに向かっているのです。だから、バーチャルリアリティー以外のことが出てくると、人間は「怖い」と思うのです。

僕はそれを知っているのです。人生はバーチャルリアリティーであり、どんな物でも自分が造っているのです。宇宙もそうです。宇宙から自分を見ても何もわかりません。自分が宇宙をつくっているのです。

量子力学でも言っていますが、その通りです。宇宙は自分がみないときにはないのです。光の原子は波なのです。波は物質ではないのです。人間が波を見ると点になるのです。だから月とか、物が出来て来るのです。波の時には月はあるのですが、誰にも見えないのです。誰かが見ると「月はある」のです。見れば月はあるけれども、見なければ「ない」というのは、本当の話です。

そのように自分が感じ取っていることは、自分が造っている宇宙であり、世界であり、それを自分なりに見ているのですから、「人生はバーチャルリアリティーだ」というのです。

そう考えると力んでみてもダメなのです。「もっと楽に、こだわらないで生きていったほうが人生成功するのではないか」ということを矢追さんは言っているのです。

これを読んでみて僕は「本当に面白いな」と思ったのです。量子力学と、仏教の考え方が入っているのです。しかし、「この人は仏教を知らないな」と思ったのです。

仏法はどのようなものかというと、確かにバーチャルリアリティーですが、仏法ではそれを「虚妄真実(こもうしんじつ)」と言います。虚妄分別(こもうふんべつ)です。「我々は虚妄に分別しているのです。真実に分別しているのではない」と仏教はいいます。

虚妄とは、現代語で言えばバーチャルリアリティーです。現実とは違うのです。そこで、問題点は「虚妄分別の奥に何があるのだろうか?」ということを仏教は問題にしたのです。矢追さんは仏教家ではないから、「分別の奥に何があるのか?」という考え方はしないで、分別でとどめてしまったのです。すべては虚妄なのです。何もこだわることはないのです。

その奥にあるものを説いたのが、仏教です。バーチャルリアリティーは虚妄である。虚妄の奥に真実があるのです。その真実を本当の仏教は見抜いていったのです。仏教学ぼうとする姿勢がないと、そのことは学べません。そのようなことを感じました。

このヤオイズムとは、タオイズムということです。タオという中国の学問があり、タオイズムとは老荘思想です。儒教の思想、タオとは自然という意味です。

「自然に生きたほうがよい」という思想です。老子はそれが進んでものすごい自然主義です。「頑張って試験に受かろう」などそんなことを思ってはいけないのです。楽に自然の波に乗っていくならば、宇宙のリズムに乗ることができるのです。

「その方が人間は幸せになります」という考え方がタオイズムです。矢追さんが言っているのは、タオイズムと同じです。それをもう一歩奥に入ったものが仏教であり、タオイズムには本当の幸せはないのです。

例えば、タオイズムだと「自然に従え」と言います。矢追さんも「自然に従え」と言います。しかし、自然と言っても無秩序の自然に従ったのでは、人生は始まらないのです。秩序ある自然に従わないとダメなのです。

この秩序ある自然を説かれたのが、日本の神道しかないのです。神道はすべて秩序があり、日本の神にはすべて秩序があるのです。これが秩序ある自然です。そこに到達すれば、たいしたものですが、ここに到達するには時間がかかるでしょう。

まあ、一読してみると面白いですよ。


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