情報を発信する側の責任と、サービスの提供側の責任を考える | タダのブログ:ネット内外からいろいろと
2008-11-09

情報を発信する側の責任と、サービスの提供側の責任を考える

テーマ:ITリテラシー
ネットで、情報を発信する側の責任と、サービスの提供側の責任を考える一件があった。

はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く気が起きるのだろう。そこがまったく理解不明だ。

と、はてな取締役の梅田望夫氏。
概ね、氏の意見は賛同できる。つい先日も、小室逮捕劇の時にも、池田信夫という方が、小室サウンドをろくろく聴いたこともないが、と断りを入れておきながら、「音楽的には無価値なものをマーケティングだけで売れると錯覚したんじゃないか」とコメントされていたが、それに対して大変苦々しく思っていたというのもあり(詳細)、その本を読まずにネガティブなコメントを寄せるのはどうかと思うからだ。

この発言の顛末(てんまつ)は、ロケスタ社長の日記を見ると分かりやすい。
梅田氏自身が書いた『水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。 - My Life Between Silicon Valley and Japan』というエントリーに対する、はてなブックマークのコメントにネガティブなものが多く、それで、氏が上記のような発言に至ったらしい。

該当のエントリーは一読してみた。しかし特に興味を持つことはなかったしその本を読んでみたいと思わなかった。僕が興味を持たなかった事は誰にも批判される話でもないし、梅田氏の文章がヘタクソで食指がはたらかなかったわけでもない。たまたま、自分のアンテナに合致しなかっただけの話。強いていえば、本のネタバレを避けるために説明が曖昧になってしまい、どこが面白いのか分からなかった、ということなんだけども。
だから、そのエントリーをブックマークすることは無かった。
ブックマークなんて興味ある人がブックマークすればいいだけのこと。

梅田氏が問題にしてるのは、おそらく下記の点についてなんだと思おう。
該当の本を読んでもいない人が、該当エントリーにわざわざネガティブコメントをつけるとはどういうことなんだ?!と。

梅田氏の言い分も理解できなくは無い。
ただ、若干点問題があると思う。それらをロケスタの社長がうまくまとめていたので参考にしながら、問題点を3つにまとめてみる。
1.梅田氏の言う『バカなもの』が投稿できるようにしてるのは、サービス提供元である『はてな』だ。
問題があると思うなら、削除ガイドラインでも用意し、サイトに合わないものを取り除けばいい。

2.ユーザーの投稿にたいして「バカなもの」と見下した発言と見られる可能性のあるものを(はてなの中でも立場のある梅田氏が)twitterで配信することは問題ではないか?

3.理解不能だ、と言っているが、理解不能な人が出てくるのは当たり前で、ネットに限らず現実の世界でも自分が理解できない人なんてたくさんいるはず。


削除する仕組みを作ることは正論だと思うが実際問題実施しようとすると、難しいなぁ、と思う。確かにモバゲーさんとかCookPadさんがそれをやっているとロケスタ社長も仰ってる。だけどやっぱり難しい。コメントの書き手の意思の読み取りと、ガイドラインのボーダー上のコメントの取り扱い、そして取り除く労力を考えると、難しいよなぁ、と思ってしまう。
昔…もう10年近く前だが、ぐるなびの面接に行った時に、ぐるなびを面白くするならどんなサービスが考えられますか?という質問があり、それに対しお店のクチコミ評価を書き込めたらいいですね、なんて事を答えた時に、担当の方に言われたのが
「自作自演だったり、ガイドラインのボーダーとか、競合店の悪質な嫌がらせ、取り除く手間などを考えると難しいんですよねぇ」
と、ため息交じりに言われたものだ(結局、他の会社に内定が決まったので、ぐるなびさんの最終面接は受けることは無かった)。
サービスはユーザの声によって成り立つものが多い。とはいえ、その中から取捨選択するのはとても手間がかかることだと思う(ここらへんがある程度、自動化できれば、サービスはうまく運営できそうだと思って、意味合いから文書解析を行う仕組みを作っていたのだが、kizasiさんがその手のサービスをやり始めたので、大手にはかなわん!とやめてしまったw)。

僕個人の意見で言えば、はてなは『ネガティブコメントが書けるのも仕方ない』と思っている。
僕も無名ながらブログを書いてるから、時にははてなブックマークに登録されることもある。それが好意的なものでなく、批判的なものであることもあるだろう。気にしても仕方ないので確認しようと思わないが、なんでわざわざ否定的なものを記録として残すんだろう?と思ったりもする。そういう意味では、梅田氏の気持ちも分かるが、梅田氏は、はてなの中の人だ。サービスを改善することがいくらでも出来る立場の人だ。そういう人が、サービスの改善を行わずに、twitterごときで文句をつぶやいてるのは残念だと思う。

また、ネガティブなコメントにもいろいろあって、批判の中には、受け入れる意味があるものも沢山ある。
初心者の中には『コメントは肯定的なものだけを認めて、他は排除すればいい』と考えるブロガーも多い。しかし、そんなブログなんて面白くも何ともない、と考えるブロガーも多くいる。僕だって、自分を支持してくれる人の意見だけを大切にして批判的なコメントを排除していたら自分の可能性が大幅に減少すると思っている。無責任な批判や、誹謗・中傷になったら相手する必要は無いけど批判に耳を傾けられる人間でありたいと思う(石破氏のブログは、批判的なコメントも承認していた。彼の政治家としての資質を見せてくれて大変好感がもてた→関連

話が長くなってしまったが、無秩序でも仕方ないのが『はてな』のサービスだと思う。
その取締役の地位にある人が、ネガティブコメントを「バカなもの」と扱ったことについては、ロケスタ社長同様に残念だと思う(私的な立場で書かれたのだろうが…取締役にあることを明記する必要はなかっただろう。それならば、にちゃんねるとか、はてなの匿名ダイアリーにでも書くべきだったのでは?)。

最後に、3について。
梅田氏だけでなく、僕自身…いや、ネットで発信する人は、常に考える必要があると思っている。
自分のブログを理解できない!て言う人がいることを知っている。ケータイ小説みたいな数行程度の文章を読むのが楽な人からすれば、こんな長くて小難しい事を書いてるぽい文章なんて『理解できない!』だろう。それは仕方ないと思う。誰にでも受け入れてもらえる文章なんてつまらないものに成り下がっていまう。
『理解できないなら読まなくていいです!」』という初心者ブロガーのような意見を言うつもりもない(関連記事)。情報を発信する側には何らかの責任がついてまわるからだ。発信者は受信者に対し、受け入れやすく構成を考える努力が求められると思う。
プレゼンの席でお客が訳のわからない事を言い出したとしても、プレゼンする側はお客に理解してもらうように努める義務がある。それを怠ったら、プレゼンなんてやってられない。
ブログも情報や意見を発信する以上は、そのような側面が求められると僕は思っているし、『理解できない!』と両断することはその義務を放棄してるように思えてしまうのだ。

僕は、会社に属さない根無し草みたいなシステム屋だ。だからこそ、好き勝手ができるが(その分、得られるものもすくないが)、立場のある人は重責と戦っているのだと思う。でも、ユーザあってのサービスだし、ユーザをバカにしたつもりも無いかもしれないが、ネット上での発信は気をつけないとなぁ、て事をこの一連の騒動で思った次第なのです。
(梅田氏のオススメの本ではないが、英語に比べて、日本語の方が、誤解を招く表現は日本語に多いと思う。肯定なのか否定なのかは文を最後まで読まなければ分からない。修飾語はムダに多く、相手への配慮から機能的ではない『敬語』に振り回されたりする。日本語の美しさというものを大事にしたい、と思うが、ただ情報を伝えるだけであれば英語という言語の方が優れていると思う。が、その話は長くなりそうなので、また機会があれば…)

関連:梅田望夫さんの発言について、ひとこと言っておくか
梅田望夫さんが理解不明と言ったはてブの本質

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