「い、つ、も、産、ん、で、く、れ、て、あ、り、が、と、う、はーと」
「ひま、声が出てる」
「へ?」
「ずーっと声に出しながら書いてた」
「あり?」
「まぁいいけど」
「ねー」
「ねーって、なんだよ」
「なんだろう」
クスクスと笑い始めて、出来上がったホワイトチョコのプレートを嬉しそうに見てるひま。
今日は父さんの誕生日で、俺とひまは2人で誕生日パーティーの準備をしてる。
ケーキは母さんのレシピだ。
父さんも俺たちも大好きな母さんのチョコレートケーキは、洋酒の香りのシロップをスポンジに塗って、クルミを混ぜたクリームをはさんだらテンパリングしたチョコをかけてしあげる。
ひまは昨日の夜、レシピを見ながら母さんに色々聞いて、書いたメモをキッチンにペタペタ貼り付けて頑張って作ったんだ。
父さん喜んでくれるといいなって言ったら、うんって答えたひまは可愛かった。
飯は俺が作った。
小さい頃から2人で留守番してきたし、ばあちゃん達は俺たちに料理を教えてくれたから。
今日は父さんの好きな白いシチュー。
鶏肉じゃなくてハムで作るのがばあちゃんの教えてくれたやつ。
コーンの缶詰の汁も入れて少し甘くなるのを、ハムの塩分がちょうど良くしてくれる。
じゃがいもと人参と玉ねぎが柔らかくなってるのを確認してルーを入れて、ルーが溶けてからハムを入れるのがコツなんだって。
早くから入れてるとハムの味が抜けちゃうからねってばあちゃんが言ってた。
父さんはサラダが好きだから、レタスをちぎってプチトマトとキュウリでシンプルなサラダを作る。
バケットを切って並べたら出来上がりだ。
ひまの作ったケーキを冷蔵庫にしまって、テーブルに飯を並べたところで父さんと母さんが帰ってきた。
「ただい......」
「ただいまー。ちょっとさとし、早くリビング入ってよ」
「かずぅぅぅぅぅ」
リビングのドアを開けて固まった父さんに、後ろから来た母さんが声をかけると、父さんはがばぁっと母さんに抱きついた。
その父さんの肩ごしにリビングを見た母さんは、すぐに微笑んで父さんの背中をトントンって優しくさすって。
「さとし、お誕生日おめでとう」
「かずぅぅぅぅぅ」
「ほら、子どもたちが待ってるよ?」
母さんの声で涙目の父さんがこっちを向いた。
「お父さん」
「父さん」
『お誕生日おめでとう。いつも、ありがとう』
「そらぁぁぁぁぁぁ
ひまぁぁぁぁぁぁ
ありがとなぁぁぁぁぁぁぁ」
真っ赤な目で
涙がボロボロ零れてる目で
俺たちを両腕に抱きしめてくれる。
その父さんを見てる母さんの目も赤くなってて、照れくさいけど嬉しかった。
涙目の父さんと
目尻の赤い母さんと
ニコニコしてるひまと
シチューとサラダとバケットを食べた。
その後、ひまのチョコレートケーキを見た父さんはまた派手に泣いて、母さんがその顔を写真に撮ってて。
父さんは泣きながらチョコレートケーキの写真を撮って、嵐のグループメールに俺の作ったシチューの写真と一緒に送って、どやっ!てコメントしてた。
その後ボロ泣きの父さんの写真を母さんが送って、みんなの笑ってるスタンプがいっぱいになってて、少しだけ拗ねた父さんに母さんがごめんねって言った顔は、息子の俺から見ても可愛くて、父さん大変だなってつくづく思う。
ケーキ食べて、久しぶりに父さんたちとゆっくり話したりして、ひまと順番に風呂に入ったらそろそろ寝なさいって母さんが言うからおやすみなさいって言ってそれぞれの部屋に入った。
眠くはないけど寝るかなって思ってベッドに乗ったら、父さんからメールが届いた。
『今日はありがとう。
なんだか2人がすごく大きくなっちゃった気がして、少しだけ寂しいとか思っちゃったよ。
もう15だもんな。でもずっと2人はおいらとかずの大事な子どもだから。本当にありがとう』
父さん、誕生日おめでとう。
ばあちゃん、いつも父さんを産んでくれてありがとう。
おしまい♡
ご夫婦サイドも間に合えば本日中に(笑)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
大野さん♡
お誕生日おめでとうございます
ヽ(・∀・)ノヽ(・∀・)ノヽ(・∀・)ノ
素敵な才能に溢れた大野さん。
演技や歌やダンスに向き合う真剣な眼差しが
とても好きです。
寂しがりなにのちゃんを
いつも優しく支えてくれて
ありがとうございます。
これからも仲良く、幸せそうな2人を
そして、楽しそうな5人を
いつまでも応援させてくださいね。