週末の重賞 3/9,10 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

NAKAMEの中央競馬重賞予想

主に重賞を中心にNAKAMEさんが予想します
データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

3月は出会いと別れの季節(競馬界)。とはよく言ったもんで、厩舎の解散、新人騎手のデビューが連続してやってくるけども、まさかこのタイミングで武士沢友治騎手の引退というのがやってくるとは思わなかったな。しかも次の職が競馬学校の教官。元々は調教師への転身を視野に入れて厩舎所属になったらしいけど、そのタイミングで教官への誘いがあったんだとか。誰だか忘れたけど、武士沢騎手は勝負の世界に生きるには性格が優しすぎるとか言われていたようで、だからこそ教官として指導する立場は今の時代に合っているかなと思うし、最近はちょっと若い騎手の防げるやらかしが多いのでね。そういう意味でも後輩の育成というのを期待したいですね。日曜に最終まで乗る馬がいるので今は労い、感謝の言葉は載せません。その時が来たら。

 

 

さて、今週行われる重賞は3つ。まず土曜の中山牝馬S、そして日曜のフィリーズレビューと金鯱賞。いづれも動画等は作っていないのでここで掘り下げていこうと思う。

 

 

まずは中山牝馬S。

ハンデ戦だがコース・距離は中山記念と同じで、1角までが近い中山芝1800。1角までが近いので序盤はペースアップが物理的に難しいというか意識しないと上げられない。そのため、入りはそんなに速くならず残り5Fのロンスパ戦か3Fからの上がり勝負という形になりやすい。意外と極端に前が残るという事は少ないものの、昨年の3着内馬は4角の位置が全て5番手以内だったし前にいるに越した事はない。それかコーナーでグーンと動いて行ける機動力というのを重視するべきだろう。血統的には20年、21年が道悪だった事もあってスルーセブンシーズ、クリノプレミアム、ランブリングアレー等ロベルト持ちの安定感が光るが、19年からはロンスパ戦と呼べるような展開ばかりで、それ故にストーリア、アブレイズ、フェアリーポルカ×2といった具合でトニービン持ちも好走中。今年はあまりかき乱すような馬はいないような気もするが、流れるならトニービン、スローならロベルトやノーザンテーストの機動力、パワーといったイメージを持ちたい。今年の出走馬ではまずクリノプレミアムか。父はオルフェーヴルで母父がロベルト持ちのジャイアンツコーズウェイ。父がノーザンテーストのクロスを持っていて、母がストームキャット≒ゴーンウエストのニアリーでスピードを活かした立ち回りが長所と呼べる血統。1周がベストなのは間違いないしこのレースは過去に勝った実績があるわけだから適性面では疑いの余地はないだろう。7歳になったが父を思えばまだまだ衰えはないはずで、牝馬同士に戻れば力差はそれほど大きくないだろう。前走は近走の中でも特に行きっぷり、反応が悪くてあまり見た事がない負け方。普段はハミを噛むくらい前進気勢がある馬だけに、ペースが流れて脚が溜まらなかったか、22年以来の西日本地区での競馬・輸送が影響した可能性があるかもしれない。今回も間隔は詰まるが在厩で中山といういつも通りのパターンになるので精神的な面で前向きさが出てくればもう少し差は詰まっていい。今回も55.5㌔だが、それだけ見込まれるぐらいの力はあるので、あとは展開が上手くハマって欲しい。他にはコスタボニータか。父はイスラボニータで母父がケンドール。トニービンは持っていないがコジーンとケンドールがグレイソヴリンの血を持っているし、母方にはアイリッシュリヴァーが入り、フランス系のちょっと緩慢というか速い脚はないがダラっと脚を使うタイプ。なのでフランス系の割に溜めて弾けないがある程度位置を取って運ぶとしぶとい。前走も速い流れを追いかけて良く踏ん張ったし、55㌔だった事を思えば内容は非常に良かった。本質的には広いコースの方が合っている血統だと思っているが、中山でも実績はあるし2000よりは1800の方がベター。ここの55㌔も問題ないはずで、後はペースの流れ方次第だろう。父の産駒は基本的に晩成だと思っているので5歳の今年は更に良くなってくるはず。立ち回り上手でここがラストランのククナ、力関係が微妙も単騎で行くとしぶといコンクシェル、1800は問題なく少し時計が掛かる馬場になってくればなお良いフィールシンパシーなども上位候補。

 

続いてフィリーズレビュー。

ここ数年は京都競馬場改修の影響で時計の出やすい馬場になっていたのもあるが、それにしても前半が速いのがこのレースの特徴で、昨年は前半3Fが33秒2、一昨年が33秒5。連続開催ではなかった時で見ても34秒の年もあるが33秒台で突っ込んでいく年も多く、やはりスローという年はほとんどない。1200、1400で賞金を積んできた馬が揃ってくるのでペースが速くなりやすいという事が毎年起こっていて、それ故に差してくる馬がまーよくやってくる。ただ今年はスローのレースを経験してきた馬が多く、例年の様になるかちょっと微妙。血統的にはシングザットソング、ジューンオレンジ、エーポス、ノーワンなどトニービン持ちが穴をあけていて、時計が速いとダンジグやストームキャットも強い。ロベルトも悪くない。今年の出走馬ではまずバウンシーステップか。父はモーリスで母父がステイゴールド。モーリスはロベルトもダンジグも持っているし産駒はこのレースで2連対と結果を出している。母父ステイゴールドはお世辞にも優秀な母父という成績ではないが、ノーザンテーストの継続クロスで飛節も曲飛だし、広いコースで1着3着ではあるがいかにも内回りを捲っていきそうなタイプ。実際このコースは勝ち鞍がある条件だし、スタートを五分で決められれば勝負になってもおかしくない。前走は4角外5から一気に並びかけて差し切り。いかにもピッチ爆発という差し切りで、今年の少し落ち着きそうな相手関係は良さそう。時計が速くなってくると少し分が悪いと思うが、単純なコース適性で言えば上位に食い込んでくるだろう。他にはポエットリーか。父はダイワメジャーで母父がレイルリンク。母方を遠く遡るとナリタブライアン、ビワハヤヒデを輩出したパシフィカスが出てくる。よってキズナも遠く遡ると牝系自体は一緒のFiji。母父レイルリンクは凱旋門賞などを勝った中距離馬として活躍したが、ダンシリの血を持つのでマイラーとしての血を伝える面はあると思うし、種牡馬としても母父としてもパッとはしないが決して有能ではないわけではないだろう。ダイワメジャー×ブラッシンググルーム、そしてデインヒルの血を持つ形は強調できるところで、配合自体も筋は通っている。乗り難しいところがあってレースではどうしても右側に行こうとする。なので右回りであれば外枠の方がベターではあるが、今の阪神はそんなに内が悪くないし仮にまた右側に行こうとしてもバイアスで不利を受ける事はないはず。1400は気持ち忙しい印象なのでここは差しに回るかもしれないが、本質は内回りOKだろうからノーチャンスではないだろう。内回り向きではないが実績上位で距離は合うコラソンビート、1400の方がレースをしやすいジューンブレア、内回りでもパフォーマンスは落とさないであろうオメガウインクなども上位候補。

 

最後は金鯱賞。

大阪杯の前哨戦と銘打っている割には有力馬が揃わない年もそこそこあるが、内回りの大阪杯に対し金鯱賞は中京2000なのでそもそも求められる適性が微妙にずれている。次を意識するならその辺も考えてレースを見ていきたい。3月の開催に移って20年以外は開幕週での施行。もっとも、3月開催に移ってからは2回開催の開幕週であり、今年の1回開催の開幕週は初めて。1月開催があった時はその影響がこの3月まで残る時があったが、今回は12月以来で今年は暖冬。芝の状態は雨が降らなければ良さそうだし、2年前ほどではないにしても2分を切るくらいの時計にはなる馬場かもしれない。逃げた馬の好走が目に付くが、馬場の恩恵というよりは単純に相手関係的にスローで行けたことが多い好走というイメージで、逃げた馬に有利なレースという訳ではない。ただ中日新聞杯や中京開催だった鳴尾記念でも先行馬が穴をあけていて、坂を登り続けるレイアウトだけにスローで入りやすい側面がいい影響を与えていそうだ。血統的にはロベルトやデピュティミニスターが好走していて、坂を登るパワーであるとかスローでの加速力というところが重要か。22年はロベルト持ちのワンツースリーだった。今年の出走馬ではまずヤマニンサルバムか。父はイスラボニータで母父がホワイマズル。父イスラボニータはIn Realityのクロスを持ちパワーを増強しているし、母方にはダンジグの血が入りこちらもパワーに優れる。父はマイラーだったが母方は中距離馬で、ホワイマズル×トニービンだから欧州的粘り腰を持つ。ドゥレッツァがちょっと厄介な存在になるが昨年より楽に前に行けそうな相手関係だし、そうなればトニービンが本気を出す。基本的に道悪は不得手な馬で良馬場がベストだが、昨年の新潟大賞典からオクトーバーSまで数えて5戦連続道悪という憂き目に。芝でコンスタントに使いながらこんな事になるのは中々ないが、その中で前走は良馬場で迎えてしっかり勝ち切った。2走前は完全に展開の恩恵を受けたし前走も上手くハマったところがあったのは確か。それでも重賞で目途を立てたのは成長だと思うし、ここもマイペースなら上位を窺うチャンスはあるはず。他にはプログノーシスか。父はディープインパクトで母父がオブザーバトリー。ディープ産駒ではあるが母方の影響も出た感じで斬れるというよりはジワジワと脚を使う感じで俊敏とはちょっと違う。母方がイタリアの牝系でイメージとしてはトニービン的ハイペリオンという感じ。スタートが出ないので毎度後ろからになるがロベルト的に回ってくる面もあり、ワンターンよりは1周の方が買いやすい馬だろう。昨年はちょっとタフな馬場の恩恵はあったとはいえしっかり勝ち切ったが、前走は後ろから苦しい競馬に。香港の2000は中山芝1800のように1角までがだいぶ短いのでスローになりやすく、展開がハマらずに狭いところを通らざるを得ない形になってしまった。基本的に速い脚はないのでスローを動けないまま後ろだと良さを出せないし、ちょっと力を出し切れなかった感。ここはしっかり外に出して動ける状況に持って行きたい。力関係で上位なのは間違いないし、ハイペリオン的な馬だから6歳でもまだまだやれるはず。見直す手はある。坂はあまり歓迎ではないかもしれないが、時計の出る馬場で先行すれば手堅そうなドゥレッツァ、2年ぶりのブランクは楽ではないが中京は合っているヨーホーレイクなども上位候補。

 

土曜の午前中だけ中山に行きますが、それもあってスプリングSの動画作りは中止。なので来週のこのコーナーでは4重賞全て書く事になります。今から鬱が止まりません。