大関二人に

 

 名古屋場所十三日目の取組が終わり、カド番大関貴景勝が横綱照ノ富士に敗れて負け越して大関から陥落することになり、来場所の大関は二人だけになった。先場所大関から陥落した関脇霧島は、前頭五枚目隆の勝と対戦して敢え無く押し出され、六敗目を喫したために来場所の大関復帰はなくなった。

 

 霧島も怪我による不調が続いたために負けが込んで大関からの陥落に繋がったと伝えられているが、彼はまだ元気で今後のやり直しがききそうだ。一方の貴景勝は五年前にも一度大関から陥落したことがあり、その時には次の場所で十二勝挙げて大関に復帰している。

 

ところが、今の貴景勝は首の怪我が癒える可能性が低いため、大関から陥落した場合の進退が取り沙汰されている。今の状況で来場所に十勝以上を挙げられるかどうかと言えば、かなり難しいように思われるのだ。前回はまだ二二歳と若かったが、今回は首の怪我の状態がかなり悪いと見られているからだ。

 

 もしも、貴景勝が現役引退して協会の親方として残ることになれば年寄株の取得が条件になるが、この年寄株の取得がなかなか難しいようだ。一説には二所ノ関一門で定年後の再雇用で残っていた湊川親方の株を取得したという説もあるようだが、その確証はない。

 

貴景勝は元大関北天祐の侍女と結婚して、その父親が起こした部屋だった所で暮らしており、彼が引退しても部屋を起こすための施設は既に在るわけだ。

 

気になっていたところ、今朝のヤフーニュースには共同通信の記事が掲載されており、今の師匠常盤山親方と話し合った貴景勝は、今場所最後まで出場し、来場所大関復帰に向けて頑張ることになったようだ。

 

 今場所の他の二人の大関では、前日に琴桜を破った豊昇龍が突如休場したのには驚いた。琴桜は関脇阿炎に寄り切られて五敗目を喫しているが、彼は今場所大関としてかなり安定感が出て来たと思っていたところ、終盤戦に入ってから三連敗を喫しており、いささか雑な相撲になっている感じがしている。

 

 前頭六枚目まで番付を戻してきた隆の勝はかつて関脇に居た頃の相撲を思い出したのかのような強さを発揮しており、久々に二桁の星に載せている。今日の十四日目には横綱と組まれているが、以前のような相撲で好調の横綱を慌てさせることができるかどうか見ものだ。

 

新小結平戸海は今場所も既に勝ち越しており、今日は久々に元気な相撲を見せている二枚目御嶽海と組まれており、これも見逃せない。また十二枚目美ノ海は昨日実力者の小結大栄翔と対戦し、相手の激しい突っ張りに動じることなく送り出しに破って二桁の星を挙げており、彼の相撲も目が離せない。

 

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