野田首相は、付則条項で次なる増税の布石を打つ覇道政治をしてはいけない(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

野田首相は、付則条項で次なる増税の布石を打つ覇道政治をしてはいけない(中川秀直)


これまでの消費税の議論から、例え消費税を5%引き上げても、そこは通過点に過ぎず、まだまだ増税が必要なことは明らかである。



国会では社会保障の全体像を示して、全体にどれだけの額がかかるのかを明示せよと野党は要求しているが、政府はそれを拒否している。



通過点である5%増税の先に一体何が待っているのか。5%増税が成功した瞬間に、増税派は、まだ足りない、財政が大変だ、とのキャンペーンをはじめるのだろう。それがそのときの担当者の使命だからだ。



しかし、国民はどう思うだろうか。どれだけ頑張っても、頑張っても、増税が必要だと言われ続ける。



増税派は、本当に国民のことを思っているなら、増税の終着点をしっかりと明示ずべきである。正直に増税額を語ったら選挙が大変だという人にこそ、安住財務大臣は「次の選挙がおっかないのか」と叱責すべきであろう。



私は野田首相とは増税路線で立場を異にするが、野田首相が、こそこそと付則条項で次なる増税の布石を打って永久増税運動の錦に御旗にするような覇道政治をやる姿を見たくない。



野田首相は、正々堂々と増税の旗を掲げ、増税後の最終的な日本の姿を国民に示すべきだ。最終的に年金や医療や介護はこうなる、そのために何年までに税率をいくらにする、と明言して頂きたい。何の根拠もない、とりあえずとり易いからといった5%増税では国民の安心感も何も生まれない。経済が悪化するだけだろう。



野田首相が最終的な増税の姿を明示して、堂々と衆議院を解散する王道解散で後世に名を残すことを望む。そして、自民党は「経済に強い自民党」として、野田民主党とは異なるもう一つの日本の未来を明示し、堂々と王道解散に受けて立つべきである。

(3月13日記)