守りたい分野はASEANプラスで守り、攻めたい分野ではTPPで攻めればいい(高橋洋一氏) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

守りたい分野はASEANプラスで守り、攻めたい分野ではTPPで攻めればいい(高橋洋一氏)

秘書です。
昔から日本が苦手とする多国間外交。
縦割りの上に政治がのっかるから苦手なんでしょうね。
縦割りの事務方の上のヘッドクオーターがあれば多国間外交で得点できるはずなのですが。

「国家の内外にわたる重要な政策を統括する司令塔並びに政策推進の原動力として、総理のリーダーシップの下、産官学の英知を結集し、重要基本方針の取りまとめ等を行うとともに、国の未来への新たな展望を提示するため、新時代の中長期的な国家ビジョンの構想を行う」国家戦略会議が10月28日一回しか開催されていないのですが、これこそ戦略不在のまま多国間外交に突入している証では?


二股、三股の外交で日本に国益を!
2011.11.18 zakzak 高橋洋一氏
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111118/plt1111180822001-n1.htm

 野田佳彦首相は13日(日本時間14日)、米ハワイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に参加する方針を表明した。

 前日の12日、米側の報道発表資料にはTPPについて「野田首相が『すべての物品およびサービスを自由化交渉のテーブルに載せる』と述べた」と書かれていた。これに外務省が抗議し、米側は誤解を認めたという。ただし米は訂正しないというからちょっと不可解だ。ともかく日本が交渉参加表明したのはよかった。日本に続き、カナダとメキシコも参加する方針だ。

 APECでは米国と中国による自由貿易圏の主導権争いが目立ったと報じられた。日本はTPPへの交渉参加を表明したが、中国も重要な貿易相手国である。米国と中国との間でどのようにふるまうことが、最も経済的なメリットを受けることができるのか。

 中国の胡錦濤国家主席は、TPPを支持する姿勢を表明したという。

 これまで、中国は「TPP関係国から招待状を受け取っていない。いつの日か招待状が届いたら、真剣に研究するだろう」と言い、態度がはっきりしていなかった。日本のTPPへの参加表明を受けて、流れが少し変わってきたのだろう。

 TPPには今のところ中国が参加していない。今のうちに日本が参加しておけば、将来中国が自由貿易協定へ参加したり、新たな枠組みを提示した場合、日本はルール作りに加わっているので対中国との関係で有利になる


 いずれにしても、自由貿易は世界の流れだ。中国が影響力を強め、日本を含めて「ASEANプラス」という形でアジア地域の自由貿易が進む可能性もある。その場合でも、日本と米国が中心となるTPPに参加しているのは、複数の選択肢があることになって決して損にならない。

 具体的にいえば、都合よくTPPとASEANプラスを使えばいい。国際交渉では二股、三股はありだ。一般論でいえば、守りたい分野はASEANプラスで守り、攻めたい分野ではTPPで攻めればいい。例えばTPPで国際ルール作りに得点をあげれば、それをASEANプラスに生かすのもいい

 大切なことは、国際交渉だからといって外務省任せにするのでなく、官邸にプロジェクトチームを作って各省の縦割りを排除して国益優先で臨むことだ。

 TPPの中でも米国、ASEANプラスの中でも中国に脅威を感じる国は多い。日本の狙い目はそれらの国だ。そうした大国への警戒心を持つ国々の協力関係に入れば、日本の国益を生かすことは可能だろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

→こういう知恵のある人を国家戦略会議に入れないと、日本の経済的玉砕コースを防ぐことはできないようですね。