IMFが日銀は資産購入拡大をとデフレリスクを指摘しました | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

IMFが日銀は資産購入拡大をとデフレリスクを指摘しました

秘書です。

日本の財務省に近いスタンスの提言が多いとされてきたIMFが「日銀は資産購入拡大を」と指摘。

日本の財務省のスタンスを反映?


IMF:日銀は資産購入拡大を、デフレリスクを指摘-報告
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920015&sid=aVIKkUyO1qQs

 7月19日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は、デフレを阻止するため日本銀行が資産購入を拡大するべきだとの見解を示した。IMFはデフレ圧力を日銀よりも強く見積もっている

  IMFは19日ワシントンで発表した報告で「デフレリスクを抑止し回復を支えるために、日銀は期間が長めの公債の購入を増やすとともに、民間資産購入のプログラムを拡大することが可能だ」と指摘した。

  日銀は3月11日の東日本大震災を受けて資産購入プログラムの規模を10兆円に倍増させた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト14人の調査では13人が日銀の次の行動は景気刺激拡大だとの予想を示し、4人は8月前後の購入基金拡大を予想した。

  IMFは日銀が保有資産の中で年限3年以上の日本国債の比率を増やすことができるとし、社債や上場投資信託(ETF)などの資産の購入を拡大できるとも論じた

  また、中小企業向けの融資を証券化した商品も購入できると指摘した。6月に発表した暫定報告を具体的に説明した。IMFは日本当局者との年次会合後に報告を発表した。それによると、日銀はそのような措置を取るには融資市場の規模や流動性が不十分だと回答したという。

  IMFは日本経済の見通しをめぐる不透明感は「異例に強い」とし、電力供給の回復の遅れや他の先進経済の減速などがリスク要因だと分析した。IMFは日本の国内総生産(GDP)について今年が0.7%減、2012年が2.9%増と予測。また、政府が負債を抑制しなければ国債利回りが急上昇する可能性があるとの見方を示した。時期には言及しなかった。

  IMFは向こう2年のインフレ率をゼロと予想した。日銀は商品相場上昇見通しに基づき0.6-0.7%の消費者物価指数(CPI)上昇を見込んでいるという。

  IMFは食品とエネルギーを除いた基調的なインフレ率がマイナスにとどまる公算が大きいとみているが、日銀は商品価格の上昇が続く場合、コアインフレ率を「過度に重視することはできないと警告した」とIMFは報告している

  IMFはまた、震災後の復興に向けた財政支出は数年間でGDPの2-4%になると予想。「当面の財政の優先課題」は震災で損傷したインフラの修復と迅速な復興を支えることだとした上で、債務削減に向けた新たな課税措置も必要だと論じ、12年に消費税を7-8%(現行5%)に引き上げ、数年間で15%とすることを推奨した

  一方で国内投資を促すため法人税は35%と現行の40%から引き下げることも可能だとし、これによる税収減は所得税制の改革によって補えるとの見解を示した

  IMFは財政と国債について、「不十分な財政調整は国債利回りの急上昇につながる可能性があり、影響が限定的な場合でも金融の不安定につながり多大な悪影響をもたらすことがあり得る」と分析した。

  また、政策変更がなければ国債発行残高が5-10年内に家計の金融資産の合計を上回る可能性があるとも指摘した。その場合、日本は財政赤字を埋める資金を海外に頼らなければなくなる。

  円相場については「中期的なファンダメンタルズ(基礎的諸条件)に照らして適正とみられる」との認識を示した。


IMF Executive Board Concludes 2011 Article IV Consultation with Japan
Public Information Notice (PIN) No. 11/90

July 19, 2011
http://www.imf.org/external/np/sec/pn/2011/pn1190.htm

・・・
Directors supported the broadening of the Bank of Japan (BoJ)’s toolkit under its comprehensive monetary easing policy to combat deflation. They welcomed the authorities’ readiness to take additional easing measures as warranted. Should deflationary pressures emerge, consideration could be given to increasing purchases of longer-maturity public securities, and possibly private assets, under the BoJ’s asset purchase program, while paying due regard to their implications for financial market stability and the BoJ’s balance sheets. There is also some scope for further improving monetary policy communication to the public.
・・・

Japan: Selected Economic Indicators

Real GDP 2007=2.4 2008=-1.2 2009=-6.3 2010=4.0 2011=-0.7

GDP deflator 2007=-0.7 2008=-1.0 2009=-0.4 2010=-2.1 2011=-1.1

Base money 2007=0.4 2008=1.8 2009=5.2 2010=7.0 2011=16.2 5/

M2 (period average) 2007=2.1 2008=1.8 2009=3.1 2010=2.3 2011=2.7 5/

Yen/dollar rate 2007=117.8 2008=103.4 2009=93.6 2010=87.8 2011=80.6 6/


→IMFの報告には増税もはいっているのですが、そこに日銀について書かれていることが注目です。

→下記のドクターZ氏によると、IMFの報告には財務省の意向が反映されている、と。とすると、今回のIMF報告も、財務省の日銀に対するスタンスを反映している可能性がありや、なしや?

→この異常なデフレ・円高路線のもとでは増税したくてもできないではないか、と財務省が判断しているのであれば、まだ希望はもてるのですが・・・



あの財務官「異例人事」の真の狙い
2011年07月17日(日) ドクターZ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11314

・・・
従来、OECD事務次長は外務省のポストだった。そのため、あまり経済政策に詳しくなく、それが幸いしてかOECDスタッフは日本の財務省に気兼ねせずに、どちらかと言えば財務省の意向に反するような政策を数多く提言してきた。例えば、インフレ・ターゲットを導入して経済成長を高めよという、世界標準の真っ当な政策だ。一方のIMFからは、財務省べったりの提言が多い。そのことは、このコラムでも何度か指摘してきた通りである。

 財務官は事務総長と対等の立場なので、事務次長での転出は実は釣り合わない。そのため事務総長狙いだとも言われているが、財務省の真の狙いは、OECD内で日本人最高ポストを握って、日本への政策提言を財務省寄りの内容に軌道修正することだろう。

 IMFとOECDから同じ方向の提言が出れば、日本のマスコミが金科玉条のように報じるのは目に見えている。その上、事務総長まで取れれば財務省は万々歳だ。日本人が国際機関のトップに就任、などと喜んではいられない。