TPPと郵政改悪:TPP協議入りと郵政改悪法案の矛盾→法案断念!今後の国会でも! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

TPPと郵政改悪:TPP協議入りと郵政改悪法案の矛盾→法案断念!今後の国会でも!

秘書です。
TPP協議と郵政改悪法案成立の両立はできますか?
郵政改悪法案を成立させたら「門前払い」になるのでは?
法案成立を断念するか?TPP協議を断念するか?
この優先順位すら決断できないなら、政権運営を断念する?


■郵政法案、今国会成立は不要=民主幹部
(2010/11/10-00:05)時事通信
 民主党幹部は9日夜、国民新党が強く成立を求めている郵政改革法案について「(来年の)通常国会でいい。審議入りもしなくていい」と述べ、今国会で成立させる必要はないとの認識を示した。2010年度補正予算案の衆院通過が15日にずれ込み、12月3日までの今国会の日程が窮屈になったことを受けた発言とみられる。 
 今国会に再提出された郵政法案に関し、民主党と国民新党は「速やかな成立を図る」ことで一致している。民主党幹部の発言に対しては、国民新党から反発が出る可能性がある。

→政権枠組みにも影響しますね。TPP協議をやるなら、次期通常国会でも成立させられないでしょう?

→郵政改悪は、民主党が①日米中正三角形論という名の反米親中路線、②反グローバリズム、③反市場主義をとっていた時代の産物。いまやなし崩し的に、①親米、②TPP、③規制緩和路線に傾斜しているのですから、もう郵政民営化反対の看板を下ろさないと。

→八ッ場ダム、後期高齢者医療制度、暫定税率、高速道路無料化、企業献金廃止・・・、これだけマニフェストをみなおしているのだから郵政だってできるでしょう。先の通常国会で、民主党閣僚はわれわれも2005年の民意は受け入れた、その延長だ、といっているのですし。


■米、郵政法案に懸念 自民が面会記録入手 
2010/11/05 14:53共同通信
 菅政権が今国会成立を目指している郵政改革法案に関し、米側が強い懸念を抱いていることを示す、面会記録とみられる文書を自民党の小野寺五典衆院議員が入手した。小野寺氏の5日午前の衆院農水委員会での質問に対し、森田高総務政務官は日米の外交幹部が面会し、米側から懸念が示されたことを認めた。

 森田氏は「重大な関心を持っている」とも答弁。菅直人首相が参加検討を表明した環太平洋連携協定(TPP)をめぐる調整で、米国などが郵政民営化見直しについて、非関税障壁として問題視する可能性があるとの認識を示した

 小野寺氏が入手したのは今年5月21日、スイス・ジュネーブで実施されたマイケル・パンク通商代表部(USTR)次席代表と北島信一・ジュネーブ国際機関代表部大使らの意見交換の文書。日本では通常国会の会期中で、今国会に政府が提出した郵政改革法案と、ほぼ同内容の法案が提出されていた。

 パンク氏は「日本政府の日本郵政グループに対する優遇措置について、深い度合いの懸念を強調するため面会した」と表明。


■郵政改革法案、国際約束との整合性確保と確信=自見郵政・金融相
2010年 11月 5日 11:28 JST
 [東京 5日 ロイター] 自見庄三郎郵政・金融担当相は5日の閣議後会見で、郵政改革法案では競争条件の公平性に配慮しているとし「WTO(世界貿易機関)をはじめとする国際約束との整合性は確保していると確信している」と述べた。
 同相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関連して、米国が参加する場合に今後の郵政事業のあり方を問題視しているとの報道に言及し「日本の郵政改革に米国が関心を持っていることは承知している。ただ、仮に日本がTPPの交渉参加の意図を表明した場合でも、いかなる要望を米国がしてくるかは、現段階で不明だ」と説明した。外務省や金融庁、財務省を通じて調査したとし「大分、(報道などの)話しだけが先にいっているようだ」との見方を示した。
 一方、りそなホールディングスが増資を通じた公的資金の返済に向けて調整を進めているとの報道については「増資や公的資金の返済は個別の資本政策に関する事項なのでコメントは控える」と述べるにとどめた。


■【正論】慶応大学教授・竹中平蔵 TPP参加で政権公約も見直せ
2010.11.5 03:03 産経新聞
 ここにきて、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)がにわかに注目を集めている。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に米国の動向などもにらみながら、日本もこれに参加するという議論が急浮上しているのだ。背景には、米国への接近で中国を牽制(けんせい)する思惑もある。各省庁もTPPによる経済効果の試算を公表し、そのすれ違いがまた、メディアの関心を煽(あお)っているようだ。

 TPP推進は政策の方向として間違いなく正しい。だが、現在、描かれているように、官邸が推進派で農水省が抵抗勢力という構図でのとらえ方は本質を見誤っている。いわんや、推進派が反小沢で反対派が親小沢という政局中心的な注目のし方をや、である。

 ≪WTO違反の一方でTPP?≫

 重要なのは、TPPが民主党のマニフェスト(政権公約)と相いれない性格のものである点だ。真にTPPを推進したいなら菅直人首相自らがマニフェストの全面見直しを含め、強力なリーダーシップを発揮しなければならない。

 TPPは、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポールの4カ国が参加し2006年に発効した広域自由貿易協定で、現在は米国を含む9カ国が参加に向けた準備を進めている。特徴は、例外品目がなく100%自由化を実現する包括的で質の高いFTA(自由貿易協定)という点にある。APECのモデル協定として作られ、加盟諸国の参加を企図し、APECのFTAへの発展性を内包しており、戦略的協定と位置付けられている。菅政権はまず、その経済的意義と政治的意義を明確に国民に説明する必要がある。

 経済的には、自由貿易の推進で国民全体の厚生を高める。政治的には、自国市場の大きさをてこに2国間自由貿易協定を猛烈に推進する(一方で質の高い自由を進めるTPPに抵抗を示す)中国を牽制する意味合いを持ち、実質的に日米FTAという側面もある。

 だが、菅政権内での議論は2つの意味で深刻な問題をはらむ。

 ≪国際競争で強い日本農業を≫

 第一に、TPPが本来目指すものと民主党のマニフェストの間に本質的な矛盾がみられることだ。TPPは自由・開放・競争といったコンセプトに沿って包括的な自由化を推進、WTO(世界貿易機関)というグローバルなインフラを超え、太平洋地域で一層の規制改革と経済統合を進めるものだ。しかるに、民主党政権は基本的にこれまでの規制改革を「行きすぎた規制緩和」と批判してきた。

 こうした矛盾が一気に顕在化する可能性がある。具体的に、民主党は依然、郵政見直し法案を掲げており、米国と欧州諸国は共同して「内国民待遇違反」でWTOに提訴する準備を進めている。このままだと、日本はTPPを推進するといいながら、一方でWTO違反に問われることになる。菅首相がTPP推進を打ち出したとき、ある米政府高官が「疑わしい」とコメントしたと伝えられているのも、そうした背景からである

 農水省はTPPで農業が破滅的打撃を受けると反対している。強調されるべきは、競争で日本農業が強くなるというメカニズムであり、これを引き出すことこそが本来の農政だ。にもかかわらず、民主党のマニフェストでは、生産性の低い農家を温存する仕組みとして働く多額の戸別所得補償が掲げられ、この点もTPPと民主マニフェストの矛盾の典型である。

 TPP推進は正しい。それはしかし、マニフェストの全面見直しと相まって初めて意味を成す。

 ≪今こそ司令塔が必要≫

 第二に、各省庁がばらばらの見解と試算を示し、内閣として統一的議論がなされていない。各省庁・担当大臣が議論を戦わせ、最終的に首相が裁断を下すというのが当然あるべきプロセスである。

 目下、内閣府が国内総生産(GDP)への影響を試算し、経済産業省がTPPに参加しなかった場合に失われるコストを試算、そして農水省が農業へのダメージを試算している。いずれの試算も目的や前提が違うものであり、国民には、一体何がどうなるのかほとんどメッセージが読み取れない。

 本来、国家戦略室に各試算を持ち寄り、首相の前で政策論議を行う必要がある。最終的には戦略室の事務局で統一試算を示し、首相決断を仰がなければならない。その際、TPPの推進を機に農業の競争力をいかに高めるか施策を明確にすることも求められよう。

 考えてみれば民主党内閣は今、不評のマニフェストを見直す絶好機を迎えていることになる。TPPを軸に、これを強力に推進しようという野党と新たな連立を組む覚悟もあってしかるべきだ。TPPは米国などに歩調を合わせて枠組みに参加すればよい、という性格のものではない。日本の経済社会の枠組みを変える大きなチャンスととらえなければならない。

 11月上旬には経済連携の基本方針が決定される。矛盾するマニフェストをそのままにして時流に乗るかのように安易にTPP推進を掲げても、官僚の試算だけが独り歩きし混乱が生まれるだけだ。(たけなか へいぞう)

■TPP参加 日本に高水準の自由化要求 米政府 牛肉に郵政も
2010.10.28 21:17産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】日本政府が参加を検討している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の拡大交渉をめぐり、主導する米政府は、日本に対して農業分野や日本郵政事業を含めた貿易障壁の撤廃を要求する方針だ。日本での参加機運の高まりを表向きは歓迎しつつ、高水準の貿易自由化を目指す全体のハードルを下げるつもりはないという姿勢を貫く構えでいる。米国はこうした姿勢をすでに日本側に伝えているもようだ。

 TPPについては、オバマ大統領が昨年11月の来日時の講演で、「広範な国が参加し、21世紀の貿易合意にふさわしい高水準の地域合意を目標にする」と推進を表明。将来的には、アジア太平洋の自由貿易圏(FTAAP)に発展させる構想を描く。

 日本の参加機運の高まりをキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は今月25日の講演で「歓迎すべき大きな変化だ」と述べる一方で、「日本国内の課題の難しさも認識している」とも指摘した。

 米国は菅政権の検討の動きを「数少ない政治的なチャンスであり、今でなければいつ、と言いたい」(プライス元大統領次席補佐官)と期待感を持って見守る。しかし通商代表部(USTR)幹部が「ボールは日本にある」と語るように、米国産牛肉の輸入制限の撤廃など、農業分野で一定の自由化受け入れを日本が示さない限り、応じない方針でいる。農産物の大幅な除外を前提にしたい日本の一部の意向を容認する空気はない。

 米国は、簡保の加入限度額引き上げなど日本郵政事業見直しも「金融市場の競争に悪影響を及ぼす貿易障壁」(USTRの議会報告)と問題視しており、この問題の改善も条件に加える可能性がある

 TPP交渉を担当するUSTRのワイゼル代表補も25日、「参加国は高水準の貿易自由化を達成することが期待されている」と語り、日本を含め参加を検討する国々の事情にあわせて自由化水準を下げる考えはないと強調した。

 ピーターソン国際経済研究所のショット上級研究員は「韓国に先を越されて日本が出遅れれば、重要な市場のアクセスを失う危険がある」と指摘していて、参加条件で妥協の余地がとぼしいなか、日本には厳しい政治決断が要求された形だ。