「解明済」?・「紅衛兵」?の2題 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「解明済」?・「紅衛兵」?の2題

秘書です。今日の東京の最高気温19度?永田町も、熱い!

さて、昨日の衆院本会議の記事より。



■首相「偽装献金事件、決着した」…衆院代表質問
1月19日14時0分配信 読売新聞
 国会は19日午後、衆院本会議で菅財務相の財政演説に対する代表質問を行い、論戦に入った。

 鳩山首相は自らの元秘書2人が起訴された偽装献金事件に関し、「検察の捜査で全容が解明され、決着した。説明は尽くした」と述べた。

 また、実母からの巨額の資金提供について、「私が知らなかったということは、検察の捜査でも事実として解明された」と語った。

自民党の大島幹事長の質問に対して答えた。大島氏は偽装献金事件に関し、「多くの国民は首相が説明責任を果たしていないと感じている」と批判した。また、小沢民主党幹事長の資金管理団体による土地購入を巡る事件に関し、「国会で集中審議の場を設け、参考人招致などに応じることを求める」と述べた。・・・


昔、ソ連が北方領土問題を「解決済」「存在しない」と繰り返していたのを、つい思い出しました。昨年12月24日の総理会見を、総理ご自身、お忘れかもしれないので、再録いたします。あのときの謙虚さをお願いいたします。


【鳩山会見詳報】
(2009.12.24 産経新聞)

--首相は、「責任を引き続き果たす」と言ったが、政権運営に影響はあるか
 「政権運営に全く影響がないとは思っていません。それだけにいろいろと迷惑をかけることも出てこないとも限りません。しかし、政治空白を招くよりもしっかりとした決意のもとで責任を果たす方が、より政権運営にとってプラスだと考えています。極力、国民のみなさんに、この問題に対し、説明責任を果たすために努力させていただく中で、国民に理解を深めていただくことに尽きる。あるいは、国会の場などでしっかりと行動して、前向きに政権運営を進めていきたい。国民のために、しっかりと社会保障や予算の問題などの議論を通じて政権のすばらしさというものが全面的に出るように理解を深めていくことが肝要だと思う」


「あるいは、国会の場などでしっかりと行動して」というのは、国会で説明責任を果たすことが入っているのではないでしょうか。


--政治資金は正当に使われていたということだが、具体的にどのようなことに使ったのか。クリーンな政治に使われてきたのかどうか、説明が必要だと思うか
 「そのことが、もし国民の中にあるとすれば、やはり調べて、私どもの方から何らかの調査をする必要があるかもしれない。領収書も含めて、提出すべき資料は提出申し上げているところです。支出に不正はなかったと理解したい。必要ならばという思いはあります



総理は昨年12月24日の段階で、政治資金の使い道について、「私どもの方から何らかの調査をする必要があるかもしれない」「必要ならばという思いはあります」といっておられます。そして国民の声を代弁する野党が「必要だ」といっているのです。昨日の答弁とは違っているのではないでしょうか。



--カネの使い道だが、せめて友愛政経懇話会に使われた部分、その他の政治活動に使われた部分、プライベートな支出という3種の大まかなくくりの比率だけでも教えてほしい

五百蔵弁護士「私の方で、それではお答えいたします。まだ、もちろん正確なところまで分かりません。ただ、大ざっぱに申しあげますと、北海道での活動、これは北海道友愛政経懇話会と北海道での鳩山由紀夫の個人としての政治活動、それから個人としての、本当の個人の活動といいましょうか、これがですね、だいたい1億円という、年間1億円ということになります。それからあと、秘書などの給与が6000万円台。これは東京の友愛政経懇話会が原則として負担をしております。その他、もろもろの活動、これは実は、もともと勝場氏のやり方というのが、これは友愛、これは個人、個人の政治活動、これはまったくのプライベートというきれいな分け方ではなくて、全部一緒にして収支をつくるといったらいいんでしょうか。その中で、友愛、それから個人の政治家の活動、プライベートと、後で振り分けるというやり方をやったものですから、そこら辺のところは非常にはっきりしないという形ただいずれにしましても、そういうような残りの政治活動の分がだいたい4000万円、2億円強というようにだいたい踏んでおります。ただ、その点になりますと、検察の方がいろいろ調べていると思いますので、そこら辺また、私どもと少し違う認定をされるのかどうか、そこはちょっと今の段階では私どもには分かりません



弁護士さんは昨年12月24日の段階で、「そこら辺のところは非常にはっきりしないという形」「検察の方がいろいろ調べていると思いますので、そこら辺また、私どもと少し違う認定をされるのかどうか、そこはちょっと今の段階では私どもには分かりません」といっておられます。これは解決済ではないということではないでしょうか。




--五百蔵弁護士に質問だが、政治資金として(母親の)安子さんから流れたお金だったと思うが、実際は贈与ということで鳩山さんから説明があった。となると例えば平成19年度に平野博文官房長官に1000万円の政治献金が友愛政経懇話会からわたっている。そのあたりの他の議員に配ったお金の処理はどうするのか。返却を求めるのか
五百蔵弁護士「大変申し訳ないのですが、私はそこのところ、何も考えておりません。私どもとしては事実を調査しておりますので、今後そういうようなことをすべきだという話があれば、私ども、やる必要あれば、それについても調査いたします



弁護士さんは昨年12月24日の段階で、使い道について「やる必要あれば、それについても調査いたします」といっています。検察が問題ないとしたのだから問題ない、とはいっていません。そして、昨日野党は説明してほしいと要望したわけです。



--首相が政治資金の使い道を知らなかったことを聞く。政治家本人が支出・収入を把握されているべきだ。自分がどのような政治活動をしているか全容を把握してなかったことになる。首相は自身の政治活動を把握していなかったのか。自身の政治活動を把握していない方が首相の任に当たることができるのか

「私自身の政治活動については、私が活動しているわけですから当然存じ上げております。しかし、それにどのぐらいのお金がかかっていたかということになると、それは今、お話がありましたように大変信じられないと思われるかもしれませんが、十分に把握していなかったというのが真実でございます。そのことによって、しかし、私は一番大事なことは、確かにどれぐらいお金が使われているかということも、把握をするべきだったと、今からみればそう思います。しかし、そのことをすべて任せ切ってしまっていたのでありまして、自分としては政治活動に専念をいたしていたと申し上げるしかございません」



「把握すべきだった」というなら、把握した結果を国会で報告されてはいかがでしょう。


--所得報告や資産報告など首相が公開してきた書類はほとんどウソだったことになるが、どう考えているのか。私腹をこやしていないと言ったが、ウソによって表の政治資金として使えるお金は確実に増えているわけだから、政治家として十分なメリットを受けていると思うが、どう考えるか

「私は今、決して、いわゆる一般に言われているような形での私腹をこやしているということを行った思いもありませんし、また、今回の事実もそのようなものではないと理解をいたしているところでございます。すみません。最初の部分に関して」
--政治資金はほとんど全部ウソだったことになるが
 「確かに元秘書がそのようなことを行っていた、苦し紛れに実際にも、いただいていないにもかかわらず、そういった方の支持者などの方のお名前を貸していただいたことも含めて、多くパーティー券の購入に関しても、また、5万円以下の件に関しても、虚偽記載が極めて多かったというのは事実でございます。従いまして、この件に関して、当然のことながら、できる限り真実というものが判明いたしたときに、正直に正確に修正しなければならない。そのように考えております」


ここも、まだ解明していないことがあることをお認めの発言ではないのでしょうか。


続いて、閣僚等の検察批判に関連する話題です。


■鳩山内閣閣僚は小沢氏を擁護、検察・マスコミ批判、開き直りも
1月19日23時19分配信 産経新聞
 「えん罪捜査はいっぱいある」「検察にも説明責任はある」…。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体をめぐる土地取引事件で、小沢氏の秘書ら3人の逮捕後初の閣僚記者会見が19日、開かれたが、閣僚たちは口々に小沢氏を擁護、検察やメディアへの批判まで飛び出した。民主党内で小沢氏への批判が起きないことについて、開き直りとも受けとれる発言もチラホラ。 「政治とカネ」問題を徹底追及してきた野党時代の面影はどこに行ったのか

 ■平野博文官房長官「あまりにも一方的に情報が媒体に出てくることで不公平感を感じるところはある。弁護士の話が出てこず、一方的に『関係者によると』とか、少し一方的かなあという気はする」

 ■原口一博総務相「『関係者』という報道は、何の関係者なのか分からない。検察の関係者なのか、被疑者(の関係者)なのか。そこは明確にしないと、電波という公共のものを使ってやるのは不適だと考える」

 ■赤松広隆農林水産相「検察の言うことが100%正しいということは絶対にない。冤罪捜査もいっぱいある。決して小沢さんを弁護するわけじゃないが、政治家で捕まって無罪になった人はいっぱいいる。でも、何年もたってから無罪となっても、その人は政界に復帰できない。それで(政治的に)殺されていった人がいっぱいいる

 ■仙谷由人行政刷新・国家戦略担当相「私は、事件の構造としては、被告人、被疑者(の側)に立たされた人は防御権を最大限行使するのは当たり前だと考えている。それが政治家がらみの政治事件となると、現実社会の中で峻別(しゅんべつ)をすることができないということは分からないでもないが、頭の整理としては全然別問題だと考えている」

 ■中井洽(ひろし)国家公安委員長・拉致問題担当相「党大会前日のタイミングで何を考えて(逮捕状が)執行されたのかよく分からない。特捜の権限なので批判するつもりはさらさらないが、特捜部も説明責任はある。何の事件か分からないというのが率直な感想だ」

 ■北沢俊美防衛相「つい先ごろまでは民主党に対して『寄り合い所帯でまとまりがない』と批判されてて、政権をとって政権運営の責任を各議員が自覚している中で一致結束して事に当たろうとすると『民主主義がない』というのはご都合主義の批判だ」

 ■川端達夫文部科学相「別に(小沢氏に)恐怖は持っていないが、やはりみんなで結束して国民の審判を受けた政策を実行していきたいという思いが非常に強くある。幹事長が党大会で説明をされ、首相が信じて、幹事長の続投を認めた以上、リーダーがそういうふうに決めたら、私たちはそのもとでがんばっていく」

 ■千葉景子法相「(首相の「戦ってください」発言は)何と戦うのか、よく分からない。にわかに評価しかねる。一般的に(検察の捜査に対する)指揮権が(法相である)私のもとにあることは承知しているが、個別に、行使するだのしないだのとコメントすべきではないと考えている」

 ■前原誠司国土交通相「どのマスコミの調査でも、(小沢氏の)説明責任が十二分に果たされていないという方が大半だと思うし、私もそう思う国民の思いはよく理解できる。事情聴取に応じられる方向になったということは大変いいことだと思う」

 ■菅直人副総理・財務相「今、最も重要視される問題はやはり予算であり経済。そういう(小沢氏の疑惑が国会審議に与える)影響によって逆にこの経済情勢をより悪くするようなことにならないように、与野党を超えて国民の利益を考えてやっていかなければならないし、やってもらえるものと考えている」

 ■鳩山由紀夫首相「私の方に小沢幹事長からは連絡はない。(聴取を)受けるか受けないかという話は小沢幹事長自身が判断されることなので、ご自身の判断で結論を出されるべきだと思う」



電波行政の話にまでなってたんですね。



■<自民・谷垣総裁>民主の対策チーム「小沢紅衛兵」と批判
1月19日22時42分配信 毎日新聞
 自民党の谷垣禎一総裁は19日、BSフジの報道番組で、民主党が小沢一郎幹事長の資金管理団体による土地購入事件を巡る対策チームを設置したことに対し、「『小沢紅衛兵』みたいな人がたくさんいる」と述べ、中国の文化大革命で毛沢東を崇拝する若者らが結成した紅衛兵を引き合いに民主党の体質を批判した。



紅衛兵というのは、その矛先は政府要人に向かっていくんですね。さて、この対策チームとは別の会合の話題。


■検察批判会合への政務官出席で官房長官が口頭注意「不適切」
1月20日0時17分配信 産経新聞
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入事件で、東京地検特捜部の捜査を批判する民主党議員の会合に政務官らが参加したことを受け、平野博文官房長官は19日夜、逢坂誠二首相補佐官ら5人を「不適切な行為だ」として口頭で注意し、今後参加しないよう指示した。5人は「軽率だった」と陳謝したという。

 会合は政治資金規正法違反容疑で逮捕された衆院議員、石川知裕容疑者(36)と同期の2回生議員が呼びかけ、政府側から逢坂氏のほか、総務省の小川淳也、階猛、財務省の大串博志、農水省の佐々木隆博の4政務官が参加した。

 平野氏は19日の記者会見で「あたかも政府も一体になってということになるなら不適当だ」と述べた。その上で会合は「同期会」だったとの認識を示し、「捜査に影響を及ぼすことはないと思う」と語った。



読売新聞によると、この官房長官が指摘したこの会合では、「釈放要求発議もありうる」という意見もでたとか。記事によると「(政府の人間だからといって)なぜ批判されるかわからない」「政府の中にいようがいまいが、国会議員として事実を知りたい気持を制約するものではない」とお考えの方もおられるようです。


さて、紅衛兵のスローガンは「造反有理」。どのような理をかかげ、だれに造反し、だれに矛先が向くのか。注目しましょう。