avandoned 2019.04.16 @ 渋谷La mama(ぼくらのヴィーナス VOL.36)


セットリスト:
1. 点滅ばいばい
2. 処方戦
3. 爆発するロマンス
4. FEVER
5. Hello!!


La mamaのステージは一辺が二間半ほどの直角三角形になっています。下手には花道様の通路あり。薄いスモーク、青いライト。
SEなしに「こんばんはー!」と登場するメンバー、べにさん、まなさん、ゑりかさん、にっきさん、はるさん、しずくさんの順。ゑりかさんについては髪を切ったという情報があり、スキンヘッドあるいはツーブロックのエキセントリックなアイドルさんの登場を予想しまた期待していたのですが現れたのは顎の線よりすこし短いくらいのショートヘアーに切りそろえた、初夏の風を湛えた美人さんでした。
べにさん「avandonedです!よろしくお願いします!」、今日は「六人で初めての曲」をやるということで「Feedback Friday」をやるのかと思い、だとしたら一曲目しか有り得ないと思っていたのですけれど、その予想は裏切られたようです、一曲目は「点滅ばいばい」でした。バックのトラックが一瞬途切れますがメンバーは何もなかったようにパフォーマンスを進行させます、Show must go on.なり。
べにさんはツインテール、しずくさんは髪を結わえず、ゑりかさんは先に記したようにショート、はるさんもショート。
界隈違いのお客さんが多かったのか、最初はちょっと拍手が少なかったかもしれません。歌詞に合わせて演技してみせるにっきさん、観客の反応を意識することが出来はじめているかな。舞踏会ででもあるかのようにしずくさんに声を掛ける仕草をみせてから、しずくさんをターンさせるまなさん。曲のタイトルのごとくに点滅するライト。
しずくさんのソロ、捧げる観客たち。ゑりかさんの「ぼくらの夢」は普段よりあっさりと。はるさんのソロの前、しずくさんの見せてくれる一瞬の形がやはり美しい。はるさんのソロに捧げる観客たち、はるさんに対して、かつてのあヴぁんだんどにあり得たかもしれない未来をいまに提示してみせてくれているかのように思い、救われている古参のヴぁヲタの方は少なくないんじゃないかと思います、そもそもこれを書いているわたくし自身がそうなのかもしれません。レーザーのような照明。このあたりで「ハイせーの!」の声がやっと掛ります。
ラスト、観客に手を振るメンバー、まなさんはしっかりこちらにレスをくれます。まなさん、ステージの経験はまったくないらしいですが素晴らしい立ち居振る舞いですね。曲終わりに「ありがとうございます!」とべにさん。

二曲目「処方戦」、イントロで「avandonedです!よろしくお願いします!」とべにさん。
見ていて思ったのですが、この曲はavandonedに当て書きされたものではないのじゃないかな。お披露目はべにさんはるさんになって最初のライブですけれども、発想そして制作されたのは当然ながらそれ以前でしょうから、もしかするとこの曲「処方戦」はべにこたお二人のあヴぁんだんどの幻のラスト曲だったのかもしれません。
しずくさんの髪は胸くらいまであるのですね、だるまさんが転んだシーンでは奥から二番目で、一番早く足を動かして走る演技、一番奥のまなさんがその次に早く足を動かしている感じです。
ラストコーラス、六人の歌と動きがとても良く揃っています。「お大事に」はしずくさんとべにさんが客側、しずくさんが下手、べにさんが上手。

MC、べにさん「ありがとうございます!それではご挨拶させてください、わたしたち、avandonedです!」、大阪に行ってきた話、「一人銭湯に行きました」とべにさん、この三日間でフォロワーが150人増えましたとはるさん、それを受けて、最近フォロワーが増えませんとしずくさん。しずくさんは大人なのであえて一歩引いたポジションを選んでいるのかもしれませんがこの方のダンスの実力と秘めたる面白さは相当なものです、目立たないけど素敵なこういう方は大切にしないといけませんね。「今日コンタクト入れなくてヲタクの顔見えません…見えない方がイイ」と笑いを取ったあと「髪、バッサリ切りました」とゑりかさん。「来る前に前髪切りました…大人っぽくなっていきたい」とにっきさん、「東京のタピオカを食べてみたい、田舎のニセモノのタピオカしか…」とまなさん、タピオカを「食べる」という表現に沸く客席、まなさんの発言を受けて「行こう!ゴンチャ!」とにっきさん、「ゴンチャ」とは「Gong Cha」、台湾のタピオカのお店ですね。

べにさん「時間が短いので次の曲…ゑりか、真ん中」とゑりかさんをセンター前に位置させ、フォーメーションを整えて、三曲目「爆発するロマンス」、みずからのソロに対して客席から沸いた拍手に「ありがとう!」とべにさん、アウェイの現場で観客が反応してくれると嬉しいものなのでしょうね。
下手前からセンター奥にべにさん、えりかさん、にっきさんと並び、さらにセンター奥から上手前へまなさん、はるさん、しずくさんと並んで、前四人のパフォーマンスに捧げる、奥に並んだにっきさんとまなさん。まなさんは前に出ているメンバーの所作に対して細かに反応してみせます、えらいものです。
ゑりかさんとまなさんが前に出てソロ、さらにべにさん、まなさん、ゑりかさんとソロは続きます。客前に出てペットボトルを掲げたゑりかさん「今日はありがとうございます!」。
ターンのシーン、下手前からはるさん、えりかさん、まなさん、上手前からしずくさん、べにさん、にっきさんと二列に並び、前から二人ずつターンして行って奥まで行ったら順に前に戻ってきて、最後は六人全員でターン。
ラスト、「爆発するロマンス!」で終わり。

ベースの音、四曲目は「FEVER」、一昨日の大阪でavandonedにおける初演、この六人では今日初めて演じられます。
客前に出るしずくさんとべにさん、一心同体のパフォーマンスに沸く観客、この曲は尺がごく短く、べにさんこたおさん時代にはいささか「捨て曲」的に見ていたのですけれども、六人に、avandonedによって、生き生きと蘇りました。レーザーが効果的ですね、客席も一気に盛り上がります。ラスト「avandoned!」でキメ。

イントロ、五曲目「Hello!!」、べにさん「最後の曲です!ありがとうございます!楽しんでね!」、はるさんのソロのとき、後ろに居て、はるさんの所作に反応してみせるまなさん、あまりにも繊細に反応するので見ていると切なくなるほどですけれど、自分のソロじゃないから関係ないや、という態度にならないのは凄いことです。やたらに細かく見るわたくしはまなさんの反応してみせるようすを見ていて痛ましさすら感じたわけですけれども、そもそも観客みんながみんな、まなさんの一挙手一投足に注目しているわけではありません。観客の誰かが、たまたま、まなさんに眼を向けたときに、まなさんが他のメンバーのパフォーマンスに反応していることに気付かれたらいい、だけれどそのためにはともかく細かく反応しておかないと、という考えなのでしょう。要は、誰もひとのことなんかそんなに注意して見てくれてはいないのだ、と、まなさんは知っているのじゃないかな。
「ヲー!ヲー!」と声が掛かったあと間奏を経てはじけるシーン、しずくさんはやはり美しい。
にっきさんの左のシューズのリボンが解けています。カメコや携帯のカメラを覗きこんでいる観客にすこしふくれた顔を向け、指差すべにさん、「撮ってばっかりいないで見ろよ!」ということかな、それだけ今のavandonedのパフォーマンスに自信があるのでしょうね。
「ステップ踏む…」のところ、以前は「ウ!ハ!ウ!ハ!…ヲイヲイヲイヲイ!」と掛けていたのですが、ここも前後の同様の音形のところと同じく「ヲー!ヲー!」と掛けている人が多いですね、べにさんの掛け声もそれに合わせているようです。今後どのように声を掛けていくかは現場次第というかavandonedヲタクのみなさんのご意向、ご意見次第でしょうね。
ラスト前、はるさんの「Hello…」と繰り返すソロ、最後の「ヲー!ヲー!」と掛けるシーン、完奏のあと、はじけるしずくさんの示してくれる形はやはり美しい。
ラスト、客席に向いて横一列になって寝る六人、一番下手側のゑりかさんがもたれかかったためにメンバーがすこしよろけ、すぐ横のにっきさんが苦笑します。

べにさん「それではここで、avandonedからお知らせを!」、告知、「今日はトリでしたね!」。最後の挨拶に客席から「やっぱ、avandonedだなー!」と上がる声、「だなー!ありがとう!」と手を振り去るべにさん。
去り際にまなさんは笑顔を向けて手を振ってくださいましたが何故かあるお客さんには怖い顔を向けます、冗談とは思いますが、なにが彼女をそうさせたのか?まなさんはお客さんを睨んでいたためにハケるのが一番遅れます。

本来はゴールデンウイークの最中であっただろうと思われるデビュー時期にいまだ至らずほとんどOn the Job Trainingの状態であろうに着実に鍛えられていくようすがはっきりと分かるavandoned、見るものに安心を与えるメンバー選択をしてくれたプレイングプロデューサー宇佐蔵べにさんの功績ですねこれは。