あべのハルカス近鉄百貨店8階の近鉄アート館

土曜日 17時からの部 

あべの歌舞伎晴の会(そらのかい)

見てきました


その前に  

名阪国道と阪神高速で 故障渋滞が発生していて 

仕事終わり 伊賀上野から 2時間半かかってしまい

約30分遅刻しました(普段なら1時間10分くらい)

 残念


渋滞の原因は 2件とも大型トラックの故障で 2車線のうち1車線が通れなくなっていたためでした

恐らく 酷暑でディーゼルエンジンがオーバーヒートしたのでしょうか?

他にも 渋滞の原因とならないまでも 路肩に停車しているバスやトラックを数台見かけました

今年の夏は それだけの猛暑、酷暑です



で 演目は

『伊賀越道中双六』

ご存知「沼津の段」を眼目に

発端「和田行家殺し」より

大詰「伊賀上野の仇討」まで





パンフレット


8月1日から4日の4日間 

12時からと17時からの1日2回公演 計8回


原作: 近松半二 近松加作

改訂: 亀屋東斎

亀屋東斎は 片岡千次郎さんのペンネーム



30分ちょい遅れて 劇場に入りました 


序幕

恐らく 発端の場面は終わって千次郎さんが その後の粗筋を説明していたところから

第二幕 定式幕が開き 

鎌倉山中の円覚寺の場から見ました

傷を立ち所に治す高価な塗り薬が入った印篭が十兵衛に渡されたり

和田志津馬が脚に深傷を追うシーンがありました



17:50から30分の幕間


タイムテーブルは




客席図は こんな感じ


3方向から舞台を見る

一段一段の階段も高いので 前の人の頭も気にならないし なんと言っても役者さんまで 凄く近い

私は Bブロックの前の方で見ました



幕間によく出来たパンフを見ると 

配役は




役者さんは二役している人が何人かいる

主だったところでは

片岡松十郎さんは 沢井股五郎と 呉服屋十兵衛

片岡千次郎さんは 唐木政右衛門と 雲助平作

片岡千壽さんは これは二役とは言わないけれど 傾城梅川後に平作娘お米

と言った具合


登場人物の相関図は







竹本のための床と 茶店の前の床几


二幕目

いわゆる 見取りの『沼津』の幕

義太夫狂言


初めて『沼津』を見た時は 

十兵衛を藤十郎

平作を我當

娘お米を秀太郎 という配役でした 

何年前なんでしょう(2008年正月)

藤十郎さんと我當さんが 松竹座の客席に降りてきて

通路を歩きながら 上方らしい お客をいじったり色んなことを話ながら 2人で漫才をしているような感じでした

仁左衛門の十兵衛は 見たことがないと思いますが


今回は

仁左衛門の弟子の松十郎が十兵衛

我當の弟子の千次郎が平作

秀太郎の弟子の千壽がお米

と 

3人の師匠が当たり役としていたお役で 

師匠が乗り移ったかのような 素晴らしい舞台でした

十兵衛は 仁左衛門さんのように 

しゅっとしているけど お米に一目惚れするところなどカワイイし

平作は 情があって丁寧だし

お米は 柔らかくて優しく一途

体の線や角度や手の着き方なんか 秀太郎さんが舞台にいるようでした


大向こうの掛け声もかかりましたが

千次郎さんの屋号は 松美屋なんですね 

私はてっきり3人とも松嶋屋だと思っていました


10分のトイレ休憩の後 


大詰

平作が命懸けで聞き出した 沢井股五郎の落ち延びる先

〝九州相良〟

なのに 仇討ち場所は 私の故郷の伊賀上野鍵屋の辻

なんでなんだろうと思っていましたが 

大詰の千太郎さんたちの解説で分かりました

志津馬一行は 東海道を通り大坂まで行き そこから船で瀬戸内海を渡り九州へ行く予定でしたが 唐木政右衛門に待ち伏せされているだろうと思い 裏をかくつもりで

大坂から大和 伊賀をぬけて鳥羽まで行き そこから船で 紀伊半島を周り 四国沖を超えて 九州へ行く太平洋に出るルートを取ろうとしたと

そのルートも政右衛門が見破っており

伊賀上野で待ち伏せたと

唐木政右衛門(実際は荒木又右衛門)て 

武道に優れているだけでなく 頭脳明晰な人だったのですね


ということで 仇討ちの大立ち回りが始まり

最後は 志津馬(翫政)と政右衛門(千次郎)と孫八(愛治郎)が股五郎(松十郎)にトドメを刺す


志津馬の恋人お米 政右衛門の妻お谷(りき彌)も出てきて 大団円

お谷と志津馬は 実の兄弟なので 

政右衛門と志津馬は 義兄弟だった


最後にカーテンコールがあり

出演者全員登場して 三方のお客にまんべんなくご挨拶されました



20:30に終演

最初30分を見逃したのは残念ですが

幕間40分入れて あっという間の3時間半

あー 面白かった


『伊賀越道中双六』と言う題名 

なるほどな と思いました




晴の会

来年はどんな芝居を見せてくれるのでしょう

楽しみです