栄養が少なくてもから脂肪肝!? それは「低栄養性脂肪肝」。 | 医師水野のアメブロ

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栄養いっぱい過ぎて脂肪肝になるのは聞いた事があるかと思います。

 

肥満の人がなるような脂肪肝ですね。

 

糖質過多、

それに続くインスリン過多。

 

多量にインスリンで

肝臓に栄養が押し込まれます。

 

そして肝臓の細胞がパンパンになっているのに

さらにインスリンで栄養が押し込まれると

肝臓の細胞が壊れます。

 

これが脂肪肝から来る肝炎です。

 

こちらもご参照下さい。

「脂肪肝?!」

http://www.mizuno.tokyo/2015/06/blog-post_23.html

 

 

 

しかし、

栄養が

不足しすぎていても

脂肪肝

になります。

 

 

これは

「低栄養性脂肪肝」

と言われます。

 

 

 

 

 

 

低栄養性脂肪肝では

肝臓の細胞に「脂肪」が溜まっています。

 

 

 

栄養が少ないのに

なぜ肝臓の細胞の中に

「脂肪」が溜まっているか?

不思議ではありませんか?

 

 

 

 

 

では、その辺りも含めて

低栄養性脂肪肝の原因

について挙げていきましょう。

 

 

 

 

 

 

1.アブラが

どんどん肝臓に!

 

 

飢餓の初期では

脂肪組織からアブラ(遊離脂肪酸)が血液中に出されます。

 

するとそのアブラ(遊離脂肪酸)は

肝臓へ運ばれまくります。

 

 

通常はこのアブラはエネルギーになります。

 

低栄養ではエネルギーに出来なくなります。

 

 

 

 

2.ここで

少量の糖質を摂る

 

 

実は、

完全な絶食なら

低栄養性脂肪肝にならない

んです。

 

 

少量の糖質を摂った場合。

これが問題です。

 

 

穀類は手に入りやすいので

食物が少ない状態で

「少量の糖質ならある」

という場合は、充分にあります。

 

 

 

少量の糖質でも

インスリンが膵臓から分泌

されます。

 

 

 

インスリンは

栄養を蓄えるホルモン

です。

 

 

 

 

つまり、インスリンは

肝臓に運ばれた

アブラを使えなくするホルモン

です。

 

 

 

そう、この少量の糖質で

インスリンが分泌され

その結果、

肝臓に運ばれたアブラ(脂肪酸)が

使えなくなってしまいます。

 

 

 

すると肝臓に運ばれたアブラ(脂肪酸)は、

中性脂肪に変換され

肝臓の細胞にたまります。

 

 

さらに次の状態が起こります。

 

 

 

 

 

3.アブラを

肝臓で使えない

 

 

アブラの大きい分子を切って小さくして使いやすくするのを

「β酸化」

と言います。

 

飢餓状態では、

肝臓の細胞の中の

「ミトコンドリア」

というエネルギー工場が

働かなくなる

事が知られています。

(ミトコンドリアの形も変わってしまいます)

 

 

こうなると「β酸化」が起こらず、

エネルギーとして使えません。

 

 

 

なお、ミトコンドリアは非常に小さいエネルギー工場で

細胞の中にとてもいっぱい存在しています。

 

ミトコンドリアが存在しない細胞は

赤血球のみです。

他の全身すべての細胞の中にミトコンドリアが多数存在しています。

 


 

 

 

4.更にアブラ(脂肪酸)が

肝臓から出ていかない

 

 

蛋白質不足があると、

アブラを外に出せなくなります。

 

 

 

 

 

肝臓に蓄えられた

「中性脂肪」は通常、

蛋白質とくっつけて

VLDL

として肝臓の細胞から

血液の中に出されます。

 

 

このVLDLにする時に

「レシチン」

「アポ蛋白B」

というものが必要です。

 

 

 

そう、名前から分かるように

VLDLにして

「中性脂肪を肝臓の細胞から

出すために必要なのもの」

「蛋白質」

なのです。

 

 

蛋白質欠乏状態では、

この

「レシチン」

「アポ蛋白B」

も作られなくなる事が知られています。

 

 

このように

蛋白質不足があると

アブラ(中性脂肪)が

肝臓の細胞から

出ていかなくなってしまいます。

 

 

 

どうでしょうか。

 

 

低栄養性脂肪肝は

ざっとこんな感じですが

詳しい分子レベルでは

全て解明されている訳ではなく

まだ研究されています。

 

 

 

以上、低栄養性脂肪肝について、でした。