ご自宅の登記事項証明書
あるいは、登記簿謄本を見たことはございますか?
マイホームを購入した際などに、
登記申請を依頼した司法書士から
登記完了後に送られてきた
登記事項証明書を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
司法書士という職業柄、
登記事項証明書の内容を確認する機会が多いのですが、
稀に(いや、稀よりは多いかも…)、
登記事項、特に登記名義人の住所や氏名の記載が
おかしなことになっていることがあります。
先日、亡くなられ方が遺言書を残されておられたので、
遺言書に基づき、相続を原因とする登記申請を行うことになりました。
被相続人は不動産を複数所有していましたが、
すべての不動産について
取得時の受付年月日・受付番号・登記原因は同一で、
昭和の時代でした。
登記済証はありません。
各不動産の登記事項証明書の記載を確認していると、
1筆だけ被相続人の住所の番地が異なります。
1筆だけその不動産の地番が住所の番地になっていました。
その1筆だけ被相続人の同一性が証明できません。
登記官の申請時の記入ミスであろうと思いましたが、
先ずは調査です。
不動産の閉鎖登記簿謄本、
被相続人の戸籍関係、附票等一通り調査しましたが
そんな本籍や住所を確認できる訳もなく、
また、コンピュータの登記事項証明書への
移記時のミスでもありませんでした。
管轄法務局が遠隔地であったため
電話で問い合わせたところ、
保管期間切れで申請時の書面は確認できないとのことでした。
管轄法務局と協議した結果、
不在籍証明書、不在住証明書、納税証明書3年分、
遺言で全遺産を承継することになっている
相続人の上申書及び印鑑証明書がプラスで必要と指定されました。
結局、相続人に余計な取得手数料や手間が生じてしまいました。
当時、登記申請をされた方が
登記完了後の記載内容を確認して
更正してもらっていれば、と思いました。
自宅の登記情報を見たことがない方、
引っ越しをしているけど
自宅について何の登記申請もした覚えがない方等、
一度、登記情報の内容を確認してみるのもよいと思います。
除票等保管期限がございます。
「あれ?」と思うことがございましたら、
登記の専門家である司法書士に
ご相談してみてはいかがでしょうか。