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一連の法改正にともなう監査役の権限の範囲と任期満了に関するお話です。
【会社法第389条第1項】 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査役設置会社を除く。)は、第381条第1項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
第381条第1項は、監査役は取締役等の職務の執行を監査する旨を規定しております。
以降、第389条第1項の監査役を限定監査役、第381条第1項の通常の権限の監査役を職務監 査役と記載します。
平成27年5月1日に会社法の一部を改正する法律等が施行されました。
以前は定款に定めがあっても登記事項ではなかったのですが、この改正により、平成27年5月1日から、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めのある株式会社(特例有限会社は除きます。)は、その旨を登記しなければならないことになりました。
ところで、平成18年5月1日の会社法施行以前の旧商法時代に設立された会社の監査役の権限はどのようになっていたのでしょうか。
旧商法時代は、資本金の額等で、小会社、中会社、大会社に分類されておりました。
どれに分類されるかにより、監査役の権限が異なっておりました。
今回は、小会社についてお話しします。
資本金の額が1億円以下で、かつ、最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計が200億円未満である会社は小会社とされ、小会社の監査役は限定監査役とされておりました。
この小会社(以降、旧小会社と記載します。)の監査役は、会社法施行でどうなったので しょうか。
【会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第53条】
(監査役の権限の範囲に関する経過措置)
旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧商法特例法第1条の2第2項に規定する小会社(以 下「旧小会社」という。)である場合又は第66条第1項後段に規定する株式会社が旧商法 特例法の適用があるとするならば旧小会社に該当する場合における新株式会社の定款には 、会社法第389条第1項の規定による定めがあるものとみなす。
つまり、会社法施行時に旧小会社の監査役は、原則として限定監査役ということになります。
しかし、『会社法第389条第1項の規定による定め』とありますので、公開会社でない株式会社についての適用となります。
旧商法時代、公開会社に相当するかどうかは旧小会社と分類される要件ではありませんで した。
公開会社に相当する旧小会社は、当該経過措置は適用されませんので、会社法施行によって職務監査役を置く会社とみなされます。
そして、そのことにより、旧小会社時代は限定監査役であったものが、権限が通常の権限に拡大するため、既存の監査役の任期は会社法の施行と同時に満了となりました。
また、『施行の際現に旧小会社』とありますので、会社法施行前に、資本金の額が1億円を超えていて、小会社特例規定は適用されていても施行時で現に旧小会社でない場合は、非公開会社であっても、上記と同様の趣旨により既存の監査役の任期は会社法の施行と同時に満了となりました。
小さなものを含め改正が続き、このように色々と分かりづらい事が多くなっております。
選任懈怠、登記懈怠等、ご心配なことがあるときは、ご相談ください。
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