相続人の一人が成年後見制度を利用している場合 | 名古屋市の登記専門司法書士 相続・不動産・会社登記ブログ

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司法書士 小川瑞穂
相続人が成年後見制度の利用を検討すべき場合とは?


こんにちは、名古屋総合司法書士事務所の小川です。

今回は、相続が発生し、遺産分割協議をしようとしたが、相続人の一人が認知症で、意思能力を有していないと考えられる場合について、下記の事例を基に、考えてみたいと思います。






〈最近、父が亡くなりました。90歳の母(A子)は認知症のため、父が亡くなったことも理解できないようです。 子である、兄(B男)と、私(C子)は、どのように遺産分割をしたらいいでしょうか?〉




遺産分割をする際には、相続人が、意思能力を備えていることが必要です。 もし、意思能力に欠ける場合は、遺産分割の際、お母様が不利益を受けないように、成年後見人選任の申立てをする必要があります。

そして、遺産分割協議は、上記の事例で言うと、お母様の成年後見人と、お子様全員(相続人全員)で行わなくてはなりません。



成年後見人は、弁護士や司法書士等の専門家でなくてもなることができます。 ですので、上記の例の場合、相談者のC子さんが、お母様であるA子さんの成年後見人になることも可能です。(成年後見人になるには、未成年でないこと、破産者でないことなど、いくつかの条件はあります。)

ただし、ご本人と成年後見人等が同じ相続人の立場となった時を考えると、(今回の場合で考えると、お母様A子さんと、C子さんは、同じお父様の相続人という立場となります。)C子さんは、A子さんの成年後見人として、ご本人の財産確保のことを考えなければならない一方で、C子さん自身としても、同じ相続人という立場に立ち、ご自身の利益を考えることになります。

このままでは、公正な遺産分割協議をすることができません。

よって、このような場合、後見監督人がついていれば、後見監督人がご本人に代わって遺産分割協議に参加することになります。

後見監督人がいない場合は、ご本人の代わりに遺産分割協議に参加し、ご本人の財産を確保する仕事をする「特別代理人」を家庭裁判所に決めてもらうよう申立てることになります。

また、成年後見制度は、ご本人の財産管理や生活のサポートをする目的の制度であり、成年後見人に選任された場合、遺産分割協議が終了したからといって、後見人の職務が終わるわけでないことにも注意が必要です。



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