父親が相続放棄をする前に亡くなり、再転相続が発生した | 名古屋市,岡崎市の相続,遺産分割,遺言に強い弁護士のブログ|愛知県

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父親が相続放棄をする前に亡くなった場合

妻や子のない疎遠な伯父が残した債務を、父親が相続するか否かの熟慮期間中に相続放棄せずに死亡し、子がその債務を引き継ぐことになってしまった場合、どうなるのでしょうか?疎遠な親族の借金を知らないうちに背負ってしまうのでしょうか?

 

 

死亡した者の相続人が、死亡した相続人の承認・放棄する権利を承継取得することを再転相続といいます。

父の遺産は承継したいが、上記例のように伯父は多額の借金がある場合、父の相続だけを承認し、伯父分についてだけ相続放棄することができるのでしょうか?

 

結論からいえば、子は伯父の分だけ相続放棄をすることができます

一方、子が父の相続を放棄した場合は、伯父の分だけ相続を承認することができません。なぜならば、子は伯父の相続を選択する権利を父より相続しているためです。

 

 

再転相続を含めて、相続の承認・放棄は、原則として、相続人が相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません(民法第915条)。 民法は、相続関係の早期安定と相続人の利益保護とのバランスから、熟慮期間を設けているのです。よって上記の例では、債務を承継したくない子は熟慮期間中に相続放棄すれば良いことになります。

 

ここで問題になるのが、熟慮期間の起算点です。起算点が第二相続人である子が債務の存在を知ったときならば、債権者に比して第二相続人は有利となります。一方、起算点が第一相続人の死亡時となると、第二相続人が債務の存在を知らないまま、3か月経過してしまうことが多くなるでしょうから、債権者に有利です。

 

この再転相続の第二相続人の熟慮期間の起算点が争点となっていた訴訟で令和元年8月9日最高裁の判断が示されました。判決では、「民法は、二次相続人の認識に基づき、一次相続を承認または放棄する機会を保障している」と指摘した上で、3カ月の起算点について、「承認、放棄しなかった相続の相続人としての地位を承継した事実を知ったとき」との判断をしました。

 


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