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遺産分割の協議をする中で、しばしば動産の扱いが問題になります。
遺産分割の中では、貴金属、金、骨董品、刀剣、宝石、ピアノ、自動車等の財産的価値のある動産から、家財道具、服、食器等の一般的には価値がないもの(市場で取引の対象にならないという意味です)まで、様々なものがあります。
こういったものは、故人に対する思いと相まって、なかなか分割ができない場合もあります。
動産を遺産分割する上で、まずもって問題になるのは、その動産がどこにあるもので、他の動産と区別できるか、という点が挙げられます。
動産類も遺産分割の対象にはなりますが、他の動産と区別できない場合、そもそも話し合いの対象とすることはできません。
動産は、故人が生前に失くしてしまったり、壊れてしまったりして、無くなっている場合もあります。また、遺産分割の基準時は、原則として分割時ですので、分割時まで残っていることが明確でない物は、分割することができません。
自動車やピアノなど、車台番号、製造番号等で特定できる物は、比較的特定しやすいと言えます。
しかし、貴金属や金、骨董品などの、財産的価値はあるものの、他の財産とは区別しにくいもの、特定の番号等で特定しにくいものについては、その物があったかなかったかの段階から争いになる場合があります。
そして、具体的に特定できない以上は、裁判所で分割の対象とすることはできません(話し合いによる場合を除く)。
動産が、特定の番号などで区別できない場合、保管者で区別する方法や、保管場所で区別する方法もありますが、保管者の協力が得られなければ、現実的に動産を特定することは困難だと言わざるを得ません。
このように、動産の遺産分割では、そもそもの問題として、争いになっている物が特定できるか、存在しているかの問題が生じます。
また、動産が存在し、特定できたとして、次はその動産の価値をどのように評価するかの問題が生じます。
当事者が合意によって評価額を取り決めることができれば、合意による金額が用いられます。
しかし、争いになった場合には、その価値を客観的に評価することが非常に困難となります。
例えば、骨董品や絵画などの美術品については、どこかの古美術商の買取の金額を参考にすることも考えられますし、自動車であれば、ディーラーの査定書・自動車査定協会の査定書を参考にすることも考えられます。
このように、動産を遺産分割の対象にするには、①特定できるか、②どの程度の評価になるか、の2点の問題がありますので、遺産分割の対象に動産を挙げる場合には、注意が必要です。
⇒詳しくは『遺産分割の対象になる財産とならない財産』をご覧下さい。
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