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最近のドラマから会社の破産と再生を学ぶ第3回
1.第五話から学ぶLBOとMBO
今回は、師匠弁護士の同級生が経営するビジネスホテルが舞台です。
借入先銀行の担当者が変わり、金利を上げて、さらに経営者の息子を連帯保証人に入れるよう言ってきて、まさに貸し剥がしです。
近々くる手形決済のこともあり、経営者は心折れて自殺してしまいます。
この経営者は、銀行への返済を第一にして、ホテルの設備にお金を掛けていませんでした。
息子が社長を継ぐか迷っている中、取締役のひとりである叔父が不動産会社と結託し、ホテルを破産させ、マンションを作る計画を進めていました。
息子は、父の思いを引き継ぎ、社長になることを決意します。
しかし、ホテルを再生するためには資金(スポンサー)が必要でした。
そこで、村越弁護士は、LBOとMBOを融合させる方法を思いつきます。
亡くなった社長が掛けていた保険金を死に金にするまいと、再建の費用にします。
ホテルの集客の目玉として、「縁起担ぎの浴場」を新設したり、客室のリニューアルをなるべくお金を掛けずに準備する再生計画を提案し、銀行の賛同を得ることができました。
「自殺は、家族、友人、周りの人も殺してしまう。」
最後に村越弁護士の言葉が心に凍みました。
貸し剥がしとは
銀行等の金融機関が既に融資している資金を積極的に回収することをいいます。これは、金融機関が自己の経営安定を最優先し、返済の滞ったことのない企業等に対して、融資を減額したり取りやめたり、あるいは返済期限の到来前に返済を迫ったりするなど、相手先の事情を考えずに資金を強引に回収することを指します。
LBOとは
企業買収手法のひとつです。ある企業を買収する際、買収資金を買収対象企業の資産価値や今後期待されるキャッシュフローを担保として借入金を調達、企業買収を行うやりかたです。
MBOとは
経営陣による株式の買い取りであり、(1)過半数の株式取得によって経営権を手に入れることで敵対的買収に対抗するものと、(2)経営権を獲得し、株式非公開化をすることで敵対的買収にさらされることを回避する「究極の買収防衛策」とがあります。
2.第6話から学ぶ民事再生
今回の舞台は、老人介護施設です。
現社長は雇われ社長、創業者である先代社長に見込まれ、社長になったのがにくいのか、創業家一族で役員である前社長の妻とどら息子が物語をかきまわします。
どら息子が自社株購入資金を使い込みんでしまい、その補填に新株発行することになります。
それを現社長の乗っ取りだと大騒ぎ。
そのうえで創業家一族の持つ全株式を高価格での購入を迫られました。
もともと経営が苦しかったこの施設は、さらに資金難になってしまいます。
そこで村越弁護士は、私的民事再生を提案しました。
ところが、創業家一族の弁護士は、施設の資産を差押える強制執行を申立てると脅してきたのです。
強制執行を阻止するためには民事再生です。
ところが、創業家の弁護士は、この民事再生は不当なものだする即時抗告を高等裁判所に申立てたのでした。
しかし、即時抗告が認められ、高等裁判所に民事再生開始決定を棄却されます。
これは即ち、倒産を意味していました。
法律により、民事再生が棄却された場合、破産に流れると定められているのです。
村越は高裁の判断にショックを受け、高裁に抗告許可の申立て(最高裁で判断を仰ぎたいので許可をくださいというもの)をしました。
しかし高裁からの返答は「不許可」。
この判断を下したのは沼田裁判官。即時抗告を認めた裁判官が、最高裁への道も阻止したのでした。
村越弁護士は、雨に打たれ、項垂れます。
第7話につづく
強制執行とは
裁判で判決を得たり(債務名義)、公正証書で支払いの取り決めがあるにもかかわらず、債務が返済期限通りに支払われなかった場合、裁判所から相手の財産を差し押える命令を出してもらい、債権を回収する手続きです。
今回のケース、債務名義や公正証書の存在は??
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