
愛知県小牧市大草の「マメナシ」自生地が、県文化財保護審議会の答申に基づ
き、8月24日(水)に開催された教育委員会会議における審議の結果、天然記
念物に指定されることとなりました。
マメナシは、日本、朝鮮半島中部、中国大陸中南部、ベトナムに隔離的に分布
するバラ科の小高木で、高さ8~10メートルになり、春早く白色の栽培ナシ
に似てやや小さい花を咲かせます。日本での分布は愛知県と三重県に限られて
いて、愛知県では主として名古屋市東部から犬山市にかけての湧水のあるため
池周辺などに生育。環境省の2007年版レッドリストでは絶滅危惧IB類、愛知県
の2009年版レッドデータブックでは絶滅危惧IA類(ごく近い将来における絶滅
の危険性が極めて高い種)と評価されています。厳しい環境にあって、小牧市
大草の自生地は20株がまとまって生育していて、県内最大の自生地の一つであ
るだけでなく、マメナシがずっと生育し続けてきた環境がおおむね保全されて
いることが天然記念物指定につながったようです。(2011年8月24日)
(注)小牧市大草のマメナシ自生地画像は、愛知県提供。