昨日、子供2人をインフルエンザの予防接種に

 

連れて行きました。

 

上の子は注射にいくというだけで、今まではとても

 

怖がり、連れて行くのも大変でした。

 

今回は「怖いけど、僕、がんばる」と健気にも言っていました。

 

少しづつたくましくなっているなと成長を感じ、嬉しくなりました。

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仏縁とクモの糸
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仏教では、縁(きっかけ、関係性)が大事だといわれます。

 

いくら仏様といいましても「縁のない衆生を助けることはできない」といわれます。

 

どんなことでもそうですが、縁(きっかけ・関係性)がなければ、仲良くなることも

 

ケンカすることもできません。ですから縁というのは大事なことです。

 

その中でもとくに仏様との関係性のことを仏縁といいます。

 

その仏縁について

 

芥川龍之介の小説「クモの糸」の話を通して紹介したいと思います。

 

作り話ではありますが、あらすじは

 

ブッダが極楽を散歩中、蓮池から地獄の様子を

 

ご覧になられると血の池地獄で一際苦しんでいる者が

 

いました。哀れに思われたブッダが、その者を助けて

 

やれないかと生前の行ないを記した記録をみられました。

 

生前のその者は、カンダッタといい、大盗賊でした。

 

やはり地獄に堕ちるだけあって悪事ばかりしていたのです。

 

そんな彼でしたが、生前盗みに入った家から逃げる途中に

 

クモが目の前を通りました。いつもなら踏み潰していくところ

 

ですが、その日は踏み潰さずにまたいで行ったのでした。

 

それを見つけられたブッダは、これを縁にカンダッタを

 

助けてやろうと思われ、蓮池からクモの糸をたらされたのです。

 

血の池で苦しむカンダッタの目の前に一筋の糸が垂れてきます。

 

思わず知らずつかんだカンダッタは、体が浮くのを感じました。

 

「しめた」と思い、カンダッタは夢中で糸をよじ登っていきます。

 

だいぶ登ったところで、一体下がどうなっているのか見て見ると

 

驚くべきことに、自分が登ってきたクモの糸をつたってたくさんの

 

亡者達が登ってきています。ただでさえいつ切れてもおかしくない

 

細いクモの糸なのに、大勢が登ってきたら切れてしまう。そう思った

 

カンダッタは足で糸をゆらして、登ってくる者たちを次々と落として

 

いきました。するとカンダッタのすぐ上で「ブツッ」と糸が切れて

 

カンダッタもまた血の池地獄へ堕ちていったという話です。

 

この中で、ブッダが何とかカンダッタを助けてやりたいと思われたのですが

 

縁がなければ助けることはできません。

 

仏様は何を縁として、人々の苦しみを解決して幸せへと導かれるのか

 

といいますと、この話で描かれるように「善行」が仏様とのご縁となります。

 

善行に心がけていると、自ずとよい縁(よい出会いやチャンス)に恵まれてきます。

 

反対に悪いことをしていると悪縁(悪い出会いやトラブル)がやってきます。

 

クモの糸の話はあくまで作り話ですが、善行というのは本当の幸せへとつながる縁と

 

なっていきますから、仏教では、少しでも私達に善行に心がけよと教え勧められています。