元銀行員コンサルタントVS現役銀行員 分析 | 情熱は「運」をも引き寄せる

情熱は「運」をも引き寄せる

名古屋の経営コンサルタント「MPC」代表原田の言いたい放題

こんにちは。


満員電車で蚊に刺されました。選ばれし血をひく男、原田です。


つづきです


「分析」


登場人物


A・・・元銀行員コンサル

   元銀行員コンサルタントのAは地方銀行出身

   10年のキャリアのうちほぼそのすべてを法人融資担当として過ごした。

   その熱き情熱はクライアントのみならず仲間の銀行員からも一目置かれ今では伝説の元カリスマ銀行員と

   言われるようにまでなっていた。


B・・・老舗の菓子問屋

   半世紀以上続く企業ではあるが、経済環境の悪化の下、売上の減少に歯止めがかからず

   毎期の経営は非常に厳しい状態であった。



資料を事務所に持ち帰ったAは早速Bの財務分析にとりかかった。


貸借対照表からは長い業歴と過去の栄光を垣間見ることができるだけの


十分な資産と繰越利益が計上されていた。


しかし、現金がない・・・


「キャッシュプアー・・・」キャッシュポジションが悪いのか・・・??


借入額も資産や売上高と比較して決して多くない・・・


損益計算書に目を通す


!経常赤字


しかも4年連続・・・・!!


経常利益が赤字と言うことは


単純に


①売上が少ない


②粗利が低い


③販売管理費(経費)が多い


このうちいずれかか、複合的に起こっているかのどれかである


①については年々減少はしているが、この業界(菓子問屋)の中ではある程度の規模もあり


どちらかといればよく頑張っている。


②について、そもそも問屋業の粗利益は少ない。1%の減少が命取りだが、


2年前と比較すると1%以上の粗利益が減少している・・・課題が一つ浮き彫りになった。


③経費額も経費構造も4年前からほぼ一定だ・・・粗利額の減少に伴い変動すべき経費も変わっていない


リストラが追いついていないのだ


否、むしろ売上の拡大に注力した結果、減少できなっかたと捉えた方がよさそうだ。


でも、売上は上がっていない。こらえているといった方が適切かもしれない・・・



ほどなくメイン銀行から支援打ち切りと毎月の収支報告をするようにと言う連絡が入った。




Aはこう考えていた


近年の銀行融資はキャッシュフロー重視である。


何年も以前は、バランスシート(貸借対照表)を重要視した。


担保、保証人偏重型融資


そう、日本的与信(融資)手法だった


ところが現在は


どちらかというと


損益計算書も重要視してきた


キャッシュフローが重要なのだ


事業利益で返済原資が確保できるかが融資判断の最重要ポイントとなった。




しかも、Bは4期連続赤字経常


格付け・・・・


そう、格付けの問題


一般的な金融機関は融資先にたいして


「信用格付け」というものを行っている


簡単に言うと


「ランキング」である


金融庁の指導のもと


異なる金融機関で同じ融資先の評価があまりにも異なることがないように


一定の基準(ガイドライン)を設けているのである。


それを、各金融機関がそれぞれ行っているのである。


その格付けが


Bは悪い、悪化しているのである。


だから、支援が出来ないのである。


そうAは結論付けた。






続く・・・・・


ここで登場する人物企業は、実在しないかもしれません。ご了承ください。