一方の値が変化すると同時に、もう一方の値も変化するとき2つの変数の間には相関があると言います。しかし、これは人をだますのにうってつけの方法です。

 

 必ずしも相関関係と因果関係は一致しません。何か見えにくい潜在的な変数により引き起こされている事象なのですが、それを別の変数っぽいものが理由だとして無理やり因果関係を捻じっているケースはよく見られます。

 

 「図書館が多い街ほど、違法薬物の使用による検挙数が多い。街にもう一つ図書館をつくったら、違法薬物の犯罪がふえるかもしれない......。」

 

☝こういうやつですね。人口密度が最大の要因なのですが、それを図書館の数が変数だとして考えてしまっているということです。(図書館などの公共施設も、人口が多い街に多い。)

 

 こういう広告や詐欺に騙される人はいったん置いときましょう。魂が抜ける

 

 問題は膨大なデータを処理してそこから法則を導いたり、解決策を考えるデータサイエンティストの方たちです。

 

 膨大なデータを処理するのは、費用も工数もかかります。その結果得られたものが疑似相関でした、となると全てやり直しとなります。またはその結果から対策を練ってしまうので、何をしても結果が変わらないということになります。(変数だと思っていたものが、定数だったから。)

 

 単純化できないくらい複雑な事象を扱うときは特に疑似相関の罠にはまらないようにしたいものです。