☆初!セブンハット!
昨日はもう一つ、「セブンハット」のワークも行いました。
私の講座ではもはや定番、アイデア出しのグループワークです。
本家「シックスハット」の改良版で、特に地域ビジネスを志向するせと・しごと塾、もしくは起業家に最適な「貢献」という要素を加えた「セブンハット」を初めて実施してみました。


前回以降、Edward de Bono氏の「シックスハット(Six Thinking Hats)」の原書の翻訳ミスに気づき、 イエローハットで「事実や調査に基づかない積極性」(訳書では「理論的な積極性」となっていました)という観点でアイデアを出すという、実にはっきりした道を示すことができたので、よりアイデア出しが分かりやすくなったと思います。(今まで参加されたみなさますみません・・・イエローハット、ちょっともやもやしていたかもしれませんね) 

順番に「白」「オレンジ」「黄」「黒」「緑」「赤」「青」でワークを行います。
白から赤までの6プロセスは、すべて5分ずつ。青は10分です。合計40分で、帽子と帽子の少しのガイダンス時間30秒程度を合わせても、45分で板書タイムは終了します。最後に席について、紙のシートにまとめる時間とプレゼンの時間があります。チーム数によって違ってきますが、今回はまとめ3分、発表3分ずつ×2チームでお願いしました。

☆セブンハットの基本ルール
(1)積極的に考え、意見を言ってください。
(2)全員ペンを持ち、ホワイトボードに記入。
(3)黙々と書かず、他の人に伝えながら書く。
(4)他者の意見を聞きながら考える。
(5)ホワイトボード全体を定期的に眺める。
(6)ワーク中は、座らない。

☆セブンハット「7つの帽子」の説明
(1)ホワイトハット(白い帽子)・・・情報
(事実や数値等のハード情報、人の意見や感情などのソフト情報)
 ・どんな情報があるのか?
 ・どんな情報が必要か?
 ・どんな情報が不足しているのか?
 ・どんな質問をしなければならないか?
 ・必要な情報を得るには、何をしなければならないか? 

(2)オレンジハット(橙色の帽子)・・・他者貢献という視点
 ・他者への貢献、社会への貢献、環境への貢献
 ・他者、社会にとっての価値創造
 ・そのアイデアにより、誰が喜ぶか(ターゲット)
 ・理念、アイデアの目的、目指すべきゴールを確認
 ・従業員、取引先、関係者の喜びを創造 

(3)イエローハット(黄色い帽子)・・・ポジティブな視点
 ・プラス思考、楽観主義
 ・アイデアの利点、アイデアから得られる利益は何か?
 ・事実または調査に基づかない積極性
 ・アイデアの強化
 ・建設的な提案 

(4)ブラックハット(黒い帽子)・・・問題点、リスク
 ・注意深く、慎重に、批判的になる
 ・問題点、克服困難な点を指摘する
 ・規制の範囲内にとどまる
 ・価値観や道徳に従う
 ・経験に当てはまらないのはどういった点か?
(注)ブラック以外の帽子の時間は、批判的な態度は慎むこと  

(5)グリーンハット(緑の帽子)・・・革新的な視点、ムーブメント
・新しいアイデア、新しい代替案・選択肢
・変化を求める
・問題点への新しいアプローチ
・どのようにしてリスクを乗り越えられるか
・刺激的、極端な操作(Provocative Operation) 

(6)レッドハット(赤い帽子)・・・感情
 ・中立かつ客観的な情報(白)とは正反対
 ・直観、予感、印象
 ・正当化の必要なし、理由も説明不要、論理的でなくてもよい
 ・個人個人があるがままの感情を表現する
 ・最後の決定はこれによるものが多い(情緒)

(7)ブルーハット(青い帽子)・・・まとめ的な視点
 ・目的の再確認
 ・他の帽子をコントロール
 ・マップメイキング(まず地図を描き、ルートは後で)
 ・まとめるための正しい質問をする
 ・問題点を明確にする
 ・要約と結論、結果の報告 
 

それでは、行ってみましょう!

☆アイデア出しについての解説
 
ワークの前に、初参加の方が半分くらいでしたので、簡単にアイデア出しについて解説をしました。配布資料でいくつかアイデア出しの手法を紹介しています。世の中便利なフレームワークがあるので、使えばいいじゃないですか!という話です。ボードに書いてありますが、SWOTもそうですね。頭の中が整理できて便利だから、事業計画作成の際に使われることが多いのですね。アイデア出しも、よく似ていると思います。

今回はさらに、「アイデアがどうしても出ないとき」の話を追加しました。ワークの間に、このような困った事態になったらどうするか、という話です。

アイデア出しのワークでは、チームのメンバーで「思考停止/思考拒否」の人が現れると、とたんに雰囲気が悪くなります。みなさまも経験ありませんか?「いや、この業界のことは私は知らん!」と開き直るタイプの方です。「アイデア出しの時間」と設定されているにもかかわらず思考拒否というのは、努力をしないことに他ならず、自分自身のためでないどころか、チームにとっても全く貢献をしていません。そういう態度を取るとどうなるか、というコミュニケーション能力の問題でもあります。

そこで、「自分で調べる」「人にきく」「カンニングする」と、代替手段を紹介しました。カンニングについては、今回のワークに関して言えば、「隣のチームのホワイトボードを覗く」ことです。良いアイデアは、素直に参考にすれば良いと思います。それで道が開けることもあります。現実のビジネスでも、競合他社を散々調べて、事業に活かすはずです。競合調査は事業計画の主要な項目でもあります。

☆ワーク風景
 
ワークの風景です。今回は、各プロセスでみなさまがあまり困らないように、手元で確認できる帽子の一覧をお配りしました。今回の記事の冒頭に掲載した7つの帽子が掲載されたシートです。
 
セブンハットの基本ルール。一人に伝言して書かせない。これ、時間の無駄です。伝達してそのまま書けば、時間は3倍くらいかかります。そして、書記が話し手の意味を理解できなかったときは、もっと時間がかかりますし、書記のストレスにもなります。時間も話し手がサッと書くときの10倍くらい費やしてしまうこともあります。だから並行して板書していただきます。そして、「つぶやきながら」です。互いに黙って書くと、書いている人は他の情報が入ってきません。だから、話しながら書くのです。書きながら話す。書きながら聴く。だからこのワーク、とても疲れます(良い汗がかけますよ)。
 
 もう一つ、セブンハットのワークでは、写真でお気づきかもしれませんが、みな立っています。足の悪い方以外は座らせません。座ってまったり議論をしていると、スピードが落ちますし、このようなホワイトボードへの記入もできません。それこそ、先ほど書いたように「1人の書記」が記録を取ることになります。これだと、周りもサボるのですね。主体的にアイデア出しに参加してもらうには、立っていただくのが一番です。せいぜい40分ちょっとですからね。

  セブンハットで使うツール、iPad(のタイマー)とフリップ。各プロセスごとに帽子の絵をお見せします。
セブンハットのワークも終盤に近づくと、ホワイトボードはこのようにぎっしり! 

☆発表の風景
こちらは発表の様子です(6期生原田さん)。ボードが整然としていますね!(私はこういうの苦手で、マインドマップみたいになります)

 もう1チーム、塾外から参加の豊田さんによる発表。ブラックハットで出た課題を見事に乗り切るアイデア出しができたのではないでしょうか。

再度、終了時のホワイトボードを掲載します。 その1。

 ホワイトボードその2。

今回は2チームでのワークとなりました。どちらもホワイトボードびっしり。各メンバーがチームに大きな貢献をして、チームワークは良好でしたね。充実した時間となったことでしょう。

 
☆今回得られた成果
1.シックスハット→セブンハット効果
「貢献」の切り口を入れたことで、「誰のため」「何のため」と、目的・理念・ターゲットが明確に意識される時間ができたこと、これがとても大きかったと思います。いずれのチームも、ターゲットを複数想定して議論が進みました。やはりこのプロセスを2番目に置いて大正解でした。

2.イエローハットの役割明確化
先ほど記述した通りですが、「事実や調査に基づかない積極性」と示すことで、随分アイデアが出しやすかったようです(従来比)。過去のシックスハットに参加された方は、このイエローハットに違いを感じたことでしょう。初参加の方は普通に時間が流れて行ったかもしれませんが・・・

3.アイデアが出ないときの行動を先に話しておく効果
これも効果的でした。冒頭に話をしておくことで、アイデアに詰まった時も打開策を考えようとしてくれる動きが見られました。それこそ、「思考拒否」で浮いてしまう人は皆無でしたし。この点に関しては、次回以降もっとブラッシュアップしていきたいと考えています(今回は半ばアドリブで話を入れましたので)。

4.ファシリテーション効果
アイデア出しを円滑にするため、チームの進行をスムーズにするため、私が少しテコ入れをすることがあります。(雑談で時間を取られないように)サッと意見を出すこともあれば、メンバーをつつくこともあります。今回は、「はい、今言ったことをすぐ書く(笑)」などとツッコミを入れさせていただきました。チーム全体で消費する時間がどう変わってくるか、自分の行動でメンバーがどれだけ気持ちよくなるか、実感していただけたと思います(たぶん)。

他にも、帽子の色の再確認は、多くの方の手が止まったな、と思ったときに行いました。この発言が一つのきっかけになり、アイデアが出ることもありますからね。

チーム内で盛り上がっている時は、いくら楽しそうでも放置です。メンバーで作り上げた雰囲気なので、私は入りたくても我慢、我慢です。

5.終了後の良い雰囲気
これは毎度のことですが、一緒に熱い時間を共有した仲間は、何とも言えない一体感があります。私も15時に終了後、16時過ぎまでみなさんと話をしていました。これがセブンハットの隠れた効果であり、起業家・経営者コミュニティにとても有効だと考えています。特に、「今までと違い、たくさんアイデアが出てきた」と感じたら、メンバーの結束はたいへん固いものになります。私もこの空気が大好きで、日頃積極的にこのワークを行っています。


以上、「初セブンハット」のレポートでした。

大企業で社内に息苦しさがあるような所で採り入れると効果は絶大かと思います(銀行とかお役所とか)。若い社員から意見がなかなか出てこない、というのは、普段の会社の雰囲気がそうさせている可能性が高いのではないでしょうか。

ただ、同じ職場の人達で行うのではなく、部署横断的に行うのが良いかと思います。日常のしがらみがあると、どうしても上下関係をそのまま引きずってしまいがちで、チームの雰囲気も壊れやすくなります。最高の成果を出すためには、初対面の人と偶然同じ時間を過ごすことになる、という展開が良さそうです(そしてその後1日一緒のチームなら、さらに信頼関係ができるかもしれません)。

できれば、新入社員の登竜門的な位置づけが良いかと思います。先日高校生が参加したのですが、大きな衝撃を受けてくれました。このような層にセブンハットをお届けできたらと考えています。

引き続き、参加者のみなさまに最大の成果をお届けできるよう、ワークを磨いていきたいと思います。ご要望などあれば、ぜひご意見をください。お待ちしています!