新しい前世物語が書けました。
この前世の私は、自分の心に嘘をつき、
嘘をついている恋人を利用して、本当に欲しい者を得る
ずるい女性です。
そのずるさが、今の私には、可愛くもあり
羨ましくもあります。
皆様はこの女性の事はどんな風に
思われるでしょうね。
それでは、前世物語「氷雪の焔」
よかったら読んで見てください。
┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄
前世物語「氷雪の焔」
いつの頃からか解らぬが
我の胸の内に住みついた邪の鬼が暴れだす。
その、邪鬼に魅いられた、我の胸の内を
己の鑑に映しだす。
目の前の愛しい、そなたに映しだす。
我を愛しむ、そなたが愛しくて
でも、それは、我は、我しか愛しんでは
おらぬと、言うことにはならぬか?
そなたの胸の内にある焔(命)を消したくなる
衝動を抑え、そなたと交わる。
交わった心が零れ出ぬように、我の心に
蓋をする。
その蓋が開かぬように、我は、そなたに
偽りの睦言をささやく。
┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄
いつの頃からか解らぬが
あの方の胸の内にに、住みついた妖しい鬼が
我にに、ささやく。
この者は、お前の事など、微塵も思おてなど
おらぬと我ににささやく。
この者は、自分だけが可愛いだけじゃ。
他の者にも同じよに、偽りの睦言をささやいていると。
我は、妖しい鬼に、微笑みながらこう言った
そんなこと、我が気づいていないと思うのか
あの方の心の中に我の事など居らぬことなど
最初から知っておるわ。
そんなことなど、どうでもいいのだ。
我が、我だけが、あの方の本当の姿を
知っておれば、それでよいのだ。
偽りの睦言を聞きながら、あの方と交わる。
あの方の中に棲みついた妖しく美しい
鬼と一緒に交わる。
妖しい鬼に魅いられた、我の心の内を
邪鬼にも悟られぬよう、あの方と交わる。