久しぶりの太田さん。 

今まで「犯罪者」「幻夏」「天上の葦」を読んだんやけど、

読み始めて、イメージとまったく違うなぁと、意外な気持ちに。 

しかも、ちょっと架空の都市の架空の時代?ってファンタジーっぽく感じたから 

あー、苦手かもって思いながら読み進めると、 

なんのなんの、オモロイやないかい。 

てかね、ファンタジー風に描かれた、現代の風刺話やったわ。 


 「始まりの町」を舞台に、4人の人物の目線で描かれる物語。 

その地で生まれ育ったことを誇りに思う住民は、 

外から来た人たちを「羽虫」と呼び、差別している。 

住民の中でも優劣がはっきりつけられ、 

伯爵の思うままに生活が決められていく世界。 


子供の頃から 

「規則を守ること」 

「わがままをせず我慢を覚えること」 

「指導的立場の人間に従うこと」

 を叩き込まれて生きてきた住民たちは、 

そんな世界に逆らわず、諦めて従うことで平穏な生活を送っていた。 

 支配する者と支配される者、 

迫害する者と迫害される者、 

自分の尊厳を守るために他人を蔑む者、 

考えることをやめてしまった者、 

平穏を守るために理不尽に気付かない振りをする者。 


 このお話は現代を描いてるみたい。 

今もそんなんやん。 

そのうち、このお話みたいに 

「どうせ投票来ないっしょ」言うて選挙なくなって、 

お金持ちや地位の高い人の好きなようにされるで。笑 


自分の頭で考えて、自分の足で歩いて、

自分の人生を選ばないとあかんよね。