大学病院を舞台にした医療ミステリー。
愛情を感じられずに反発しつつも父と同じ医師の道を歩む主人公・裕也。
教授選を控えた父・真也の手術に立ち会うが、
簡単な手術のはずが、真也は亡くなってしまう。
同じく教授選を控えていた医師も亡くなっていることを知り、
父の死に疑問を感じた裕也は調べ始める。
そんな中、調査をやめるように謎の電話が掛かってきたり、
裕也自身も暴漢に襲われたりする。
やはりこの一連の事件には何かある。
確信した裕也は危険を承知で調べを進めていくが……
というお話。
壮絶な過去と悲壮な覚悟で起こった事件には家族への想いが詰まっていて、
切なくて悲しい。
なんだけど……
結局、裕也も同じことしてるやんって思った。
裕也は諸々の事情を聞かされてなかったことを詳しく悲しく思ったのに。
妹が真実を知った時、どう思うやろ。
でも間違いなく、裕也は妹のことを想ってやったことやもんね。
人が人を想って何かをする時、
こういう微妙なズレが生まれがちよね。
なかなか難しい問題だ。