今まで読んだ芦沢央さんのイメージとはちょっと違った物語。
短編集のような形で軽やかに、ちょっとコミカルに、でも時々グッとくる感じ。

新入社員の松尾は先輩の康子からあることを聞く。
パワハラで同期の玉ノ井を泣かしてしまった澤口が、
それだけでなく実は取引先からキックバックをもらっているというのだ。
その証拠を掴んで社長に告発したいと言う康子に強引に取り込まれ、
なぜか片棒を担ぐことになってしまう松尾。

この2人の証拠集めと告発とその後を描いたお話かと思いきや、
今度はその裏で起こる、さまざまな出来事にスポットライトが当たる。
まさにバックステージ。
特に後半の2編については、舞台の演者とその関係者が主人公になっているので
証拠集め以外にも舞台がどうなるのかというドキドキもある。

そして最後に、澤口がどうなったか。
これはもう読んでいただきたい。
ほんまムカつく男やで。笑