青砥と須藤はバツイチ同士、50歳。
中学の同級生で、初恋の相手でもある。
そんな2人の恋の物語。

と言っても、キラキラはまったくなし。
物語は冒頭、須藤の死を青砥が知るところから始まります。
そこからは青砥による須藤との日々の回想。

2人がゆっくりゆっくり、関係を築いていき、お互いを大切に思うようになっていく様子が描かれます。
もどかしかったり、意地張ってんなと思ったり、でもこの年になるとそうかもなと思ったり。

でもね、最後の章のタイトルにもなってる「合わせる顔がないんだよ」にはね、
「合わせる顔がなくても会えよ!」って須藤の頭をはたきたくなったわ。笑

分かるよ、あんなことがあったら会えないと思ってしまうのは。
でもさ、もう命がわずかとなったらさ、そんなこと関係ないやん。
会いたい人には会っとけよ!

青砥への中途半端な想いを抱えて逝くのも、
須藤への中途半端な想いを抱えて生きて行くのも、
どっちも辛いのよ。
もちろん会ったって辛いんだけど、
でもちゃんと最後に話せたら、その辛さは飲み込めると思うんよ。
逝く須藤はまだいい。
後悔を抱えて生き続ける青砥の辛さを思うと涙が止まらんかったよ。