垣谷さんの、「あるあるー!」とか「自分の身にも起こりそう」なんて身近な社会を描いた作品、好き。

空虚な関係だった夫を突然亡くした妻・夏葉子が、これからは自分の人生を歩けると思ったのも束の間、
「高瀬家の嫁」という鎖に縛り付けられていくが……。

というお話。

夫婦なのに夫婦じゃないと感じているけど、暴力とか決定的な浮気とかはないと、確かに離婚を躊躇はするよね。
でも、二人でいるのに独りだと感じる生活って、実際に一人でいるより何倍もツラいのよ。
だから、離婚を思いきれなかった夏葉子は夫が死んでほっとしてしまう。

でも、いろんなことがあった後で振り返ると、
言いたいことを言わずにいた自分もダメだったなと気付くのよね。

夫は夫で何も夏葉子に言わなかったし、
夏葉子も勝手に諦めて何も聞かなかった。
いい関係を築いていた義父母を傷つけたくなくて、嫌なことも我慢して何も言わなかった。
それでほんとに上手くいくならいいんだけど、
夏葉子はモヤモヤをどんどん募らせていくからね。

それならちゃんと言うべきだったのよ。
って、言うのは簡単。
実際に言いたいことを言うって、ほんとに難しい。
関係を悪くしないために言わずに我慢するんだけど、
それで必ずしも悪くならない訳でもなくて、
むしろ内面的には悪くなることの方が多いなと思う。
自分の中で抱えてしまって限界きちゃうから。

そういうこと、私も過去のあれこれで学んだんだけど、
でもやっぱり、まだまだ言いたいことを言うのは苦手。
飲み込んでしまう。
この歳になっても自分改革はまだまだせねばならんですねー


#垣谷美雨 #夫の墓には入りません #読書感想 #読書好き #本好き #読書女子 #活字中毒 #カッチュウ #本棚ヤバイ #読書好きとつなかりたい