久しぶりの湊さん作品。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です」
ある日突然、10歳の章子に未来からの手紙が届く。  
章子は未来の章子に宛てて、いつか届けられるようにと、日記のように手紙を綴り始める。

手紙の形式がメインの章子、
章子とやがて親友になる亜里沙、
章子の担任だった篠宮、
章子の父・良太の4人が順番に語り手となる物語です。

とにかく、悲しい辛いことしか出てこない。
でももしかしたら未来は明るいものになっているかもと思いながら読み進め、
どんどん状況は悪くなっていく。
そんなどうしようもないお話。

でもどれもこれも絵空事ではなく、
現実にどこかで起こっている問題で、
目を背けてはいけないことなんだと思う。
何かができる訳ではなくても、
そういうことがあるんだと知っているだけでも。