私がコピーライターを

めざしたのは30歳のとき。

 

何のあてもなかったのですが、

とりあえず会社を辞めようと思いました。

「根拠のない自信」だけが支えでしたが、

会社を辞めると決めたあとはすっきりして、

これから始まる未来に気持ちは

ワクワクしていましたビックリマーク

 

転機となったのは、

『広告批評』が主催した

コピーライターを養成する

専門学校「広告学校」でした。


『広告批評』はマドラ出版から

発行されていた広告の専門誌で

2008年に休刊になっています。


広告学校の校長先生は

マドラ出版の社主であり、

コラムニストの天野祐吉さんでした。

懐かしい…。



「広告学校」が福岡で開講

されると知ったのは、

会社を退職して

1年ほど経った頃です。

 

30歳で未経験の私が

広告業界に転職するのは

簡単でないことを

痛感していた時期だったので、

神様が私にくれたチャンス!とばかりに

すぐに申し込みましたハート

 

でも、文章を書く仕事に就きたいとしか

思っていなかった私は、

広告の知識はもとより

コピーライティングのことを

全くわかっていませんでした。

 

広告学校の受講生の半数くらいは

既に広告業界で仕事をしていて、

スタート時点で既に出遅れていた私は、

焦る気持ちを抑えながら、

必死で課題に取り組みました。

 

楽しみだったのは、

講師として来福される

トップクリエイターの方々の講義。

授業後には懇親会もあって

仕事の裏話も聞くことができました。


岡康道さんもそのお一人

当時は電通に所属されていました。

JR 東日本「その先の日本へ。」や、

サントリー「モルツ球団」のCM

で注目され、1999 年には日本初の

クリエイティブエージェンシー

「TUGBOAT」を設立されています。

 

岡さんは、とにかくカッコよかった

身長が高くスーツが似合い、

その頃はたくさんの賞を

受賞されていて時の人でした。

 

でも、とても気さくで優しくて

生徒から人気がありました。

 

岡さんにお会いした頃、

私は、広告会社に運よく

採用されたもののコピーが書けず

悩みまくっていて、

コピーを書けないことを

岡さんに相談したんです。

 

今思えば、よくそんな勇気が

あったものだと驚きますが、

必死だったんだと思います。

 

そのときお聞きしたのですが、

岡さんはコピーの勉強のために

シナリオの学校に通われていたそうです。


だから、岡さんの作られるCMは

映画のようなストーリーがあるのかと

納得しました。

 

また、岡さんは中学時代、

野球部のエースだったそうで、

プロになれなかった自分は

挫折した人間なんだと

言われていました。

 

「採用の面接官をやっているが、

野球部で活躍したと自慢気に話す学生の

気持ちがわからない。オレが

『でも、プロにはなれなかったんだろう?』

っていうと黙っちゃうんだよね」


と話されていて、厳しい人だなと思う反面、

輝かしい場所にいる岡さんとは違う

一面に触れた気がしました。

 

岡さんが作られるCMの背景には、

リアルで世俗的な価値観があって、

バブルが崩壊した90年代の

日本にマッチしていたように思います。

 

ここ10年ほどは、

日経ビジネス電子版に連載されていた

学生の頃からの友人、小田嶋隆さんとの

対談を拝読していました。

お二人のくだらなくて、でも奥深い

掛け合いが心地よく

楽しく読ませていただいていました。

 

白髪が目立つようになられたけど、

お元気そうだなと思っていたのですが、

2年前の2021年7月31日、

急逝されたとの一報が

いきなり入ってきて、

かなり動揺してしまいました。

 

対談相手の小田嶋隆さんも

今年、6月24日鬼籍に入られました。


小田嶋さんのコラムやラジオのファン

でもあったので、さらにショックでした。


ちょっと早過ぎますよね…。


でも、天国で再会して

2人で盛り上がって

いらっしゃるのかなあ。


そんなことを考えた

2022年7月31日でした…。

 

★お二人の対談は今も日経ビジネス電子版で読むことができます。才気あふれるお二人の奔放な対談を、こんなに痛快に、心地よくまとめられた清野由美さんも素晴らしい。尊敬します!

 

★写真は当時ノートに書いてもらった

岡さんのサイン。「電通」と書かないところが岡さんらしい。

 

 

 

 

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