今日もお読みいただきありがとうございます。
星なほみです。
夫は単身赴任、認知症の義父は施設へ預けてから、子供と3人の生活になりました。
私は仕事、子供達は二人とも受験生。塾代の少しでも足しになるようにと仕事に一生懸命の毎日でした。
忘れもしません。
それは長男の誕生日。
私は仕事の後に、長男の好きなお寿司とケーキを選ぶのに時間がかかってしまい、帰るのがいつもより遅くなってしまいました。
帰宅して家の電話を見ると44件もの着信歴が入っています。
? ?? ???
嫌な予感がしました。
この電話番号は全く知らない番号だけど、誰?
すると間もなく電話がかかってきました。
「ご主人と同じ会社の田中です。
昔、奥さんとは同じ部署にいた田中です。
大変なんだよ!
ご主人がくも膜下出血で会社で倒れて救急車で運ばれたんだよ。
今から緊急手術になるから、出来ればすぐに奥さんはこちらの大学病院へ来て!」
命は大丈夫なんですか?
「その件は病院へすぐに連絡をとって!!」
田中さんは、私が若い時に同じ部署で働いていた時の先輩でした。
その懐かしい声で、少しだけ落ち着くことができました。
私は焦る気持ちで、教えてもらった大学病院の救急センターへ電話をします。
心臓がドキドキして泣きそうになりました。
大学病院の先生と電話が繋がると
「今の時点では、命はどうなるかはわかりません!
とにかく今からすぐに手術をします。
朝方までかかるかもしれません」
先生は簡単にくも膜下出血の症状と手術の説明をしてくれました。
その日はもう飛行機の全ての便がなく、次の日の朝一で救急搬送された病院へ向かうことにしました。
泣きたいのを我慢しながら気が動転して、何をスーツケースに入れたのか、さっぱり覚えていません。
神様、どうかお願いです。
夫の命だけは助けてください。
一晩中眠ることが出来ずにただ祈り続けました。
そして次の日、私は単身赴任先で夫の秘密を知り、ひどくショックを受けます。