昔、S玉県に長らく──20年以上かな──一人暮らしで住んでいたのだが、長く住んでいただけにそこでは時折突発的におもしろおかしな出来事があった。それを書く。
当時無職だった僕。失業保険をもらいつつ、道に落ちていたコッペパン(忘れもしない、ピーチジャム)を食って腹を壊したりしていたある日、つつがなくパチンコを打ち終わり負けた後、駅前で、明らかに歩様の不審なサラブレッド(推定牝7)と巡り合った。俺、その時点では何の欲望もなく、反射的に「あ、あの……フラフラしてますけど大丈夫ですか……?」と声を掛けた。そしたら彼女、跛行しながらデヘヘと微笑み、メスの臭いを出してヒヒンと尻を振ってきたんだ。となれば俄然、俺も牡馬なもんで、まだ営業中だった近場の居酒屋へと連れ込んだのさ。込むよな!
「聞いてよ~!!」だなんて、こちらの預かり知らぬ職場や旦那の愚痴、娘や息子の就職就学の話をガシガシ叩き込んでくる彼女。おそらく40代後半だろうか?(当時僕は30代後半でした)。ひたすら畳み掛けてくるのでお通しの枝豆は一切減らぬ。彼女の舌鋒も止まらぬ。で、そのうち閉店の時間が迫ると(店内にはもう僕らしかいなかった)、俺の頬を抱き寄せて口づけをしてきた。ベロチュウだ……。
「あのー、お客様……そろそろお時間となりますが……」
うるさい。取り込み中だ。ベロチュウ中だ!
もはや矢も盾もたまらぬ。即座に会計し、その後すかさず、すぐ近くにあったラブホ「トロント」にチェックイン。愛し合うのにもはや時間や言葉はいらなかった。まるでヒデとロザンナ……っておばちゃん。金玉はあんま吸い過ぎると痛いから!……でもあぁ、その大らかな潮吹きはイイね!! シーツに五大湖ができたのが忘れられないよ、T岡さん……娘さんは今も元気かい?
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