べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 12話
皆様
NHK大河ドラマ
べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜
はご覧になられておられますか?
江戸のメディア王 蔦屋重三郎の生涯を描いたものです。
私は、昨年のひかきみ以来大河に狂っており、
日曜日午後8時になると、
家庭での一切の役割も断り、テレビの前で大河の世界に没入すると決めております。
昨夜は、吉原の祭り 俄 を取材した
名月余情
誕生の秘話の回でした。
武士としてのお役目柄、本名を伏せて活躍していた人気青本作家朋誠堂喜三二に、
蔦重は、自身の本屋耕書堂からも青本の執筆依頼をするも、すでに出版契約している鱗形屋との義理のためその話は立ち消えとなってしまいました。
吉原で開かれたお祭り 俄
に久しぶりに現れた喜三ニが、蔦重に
青本、書けなくて、すまなかったね…と頭を下げると、
蔦重は、喜三ニに、祭の俄の絵本を出したいので、
序文を書いてくれないか、と頼みます。
30日続いた俄の最中、吉原内での置屋同士の不仲を反映した盆踊り対決が続く中、
最終日
ここまできたら、あれ、やるしかねえなあ…
一触即発で喧嘩が始まるかと思いきや
両陣営の長は、手にしていた花笠と扇を取り替えて、対決せず融和して踊り、一緒に祭りを盛り上げていきます。
祭りには神様が混ざっている。
だから、神隠しにあう人もいるというよ。
という友人の花魁の応援で、空蝉花魁も恋人と吉原の喧騒に紛れて大門を出て行きました。
名月余情には、喜三ニの筆で、
祭りの最中、皆が祭りに没入する。
人と我との境も無くなる
祭りに集まって楽しんでいる皆の喜びが自分の喜びと同化する
祭りが終われば、それも終わる、と
と格調高く描かれています。
江戸の庶民たちも、与えられた生を精一杯生きて、喜び、そしてそれを共有した。
健気で、そしてとても愛おしい。
それを残してくれた喜三ニの文才と、その実力に注目して本を企画してくれた蔦重のおかげで、数100年後の私たちは、吉原の俄の熱狂と興奮とその文化としての質の高さをメディアで再現して楽しむことができる。
すでに世を去った故人らにも、その大きな功績を心から讃えて感謝したい。
感謝は、過去の人たちに対しても可能なのだ、と気づきました。