互いが、どう思ってるか分かったところで
じゃー、お突き合いお付き合いしましょう、とかならない。
メールして、電話して、ようやく会って、
関係をもってからは、すったもんだの連続で。
一言でいってしまえば、
家柄、育ち、親、環境、当人の素質や能力、闇、
いろんな意味で、ヤツは規格外なので
(ひとつでも詳しく書くと、
身バレする危険性が高いので書けない)
ついていくのも精いっぱいなら、
起こることも予想外のことも多かった。
互いに振り回し振り回され、
『正しさ』をぶつけ合い、
何かあるとすぐ着拒され（笑）
付き合っている間じゅう、
ジェットコースターに乗っているようなものだ。
まあ、おかげ様で
相手を知りたい、解りたい、受け容れたい、
と思って必死になる以上に
私は自分と向き合わざるを得ず、
被害者ぶりっ子の自分や、
「救済者ぶりっ子」の自分、
黒々とした感情、
まざまざと見せつけられることが
多々あった。
その都度、
しんどくて、きつかった。
4年前、
とある、人間心理学の講座を受けた時、
大ゲンカになったことがある。
心理学系や、自己啓発系のセミナー講師は、
最終的には宗教方面へ行くと。
心の弱っている人間をハメて、
洗脳するものだと。
本の出版は、その基礎固めだと。
自分が日中預かりしている子ども達の親で、
宗教やセミナーにハマって、洗脳されて、
育児放棄してまでも、すがっているような者もいると。
お前は、その講師と同じことをしたいのか、と。
弱者をさらに貶めたいのか、と。
今なら、ヤツの言いたいことが理解できるんだが
その頃の私は、
自分の弱さを理論武装で隠して
『刃(やいば)の鎧』
を着てるような状態だったから
その人間心理学こそが、私に必要なものだ、
これがあれば、私は変われる、
立派なカウンセラー(もしくは、セミナー講師)になれる、
そう思い込んでいた。
それを反対するどころか、講師すらけなして
全否定するヤツは、イヤな人だとまで。
…一種の、軽い洗脳状態だ。
自己啓発ってのは、
他人に“される”ものじゃない。
自ら気づくもの。
腑に落ちて初めて、
自らの血肉になるもの。
こんな簡単なことすら、
あの頃の私は、わからなかった。
今の『私』は、それを“わかってる”んだがね…
「俺は、オマエを“救えなかった”!!!!」
電話口で絶叫されたよ。
悲しい声で。
心底惚れた女ひとり、
どうすることもできない絶望。
己の無力感。
当時のヤツが味わったのは、それだった。
(つづく)
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