今日の読売日本交響楽団の定期演奏会は、共に困難な時代を生き抜き、影響を与え合ったショスタコーヴィチとヴァインベルクの曲が演奏されました。

 

ギドン・クレーメルをソリストに迎えたヴァインベルクのヴァイオリン協奏曲は、シャープなヴァイオリンとどっしりと構えたオケが少し合わないかなと思うところもありましたが、弱奏部の緊張感ある表現が素晴らしく、随所に飛び出してくる木管楽器も見事。特に、ヴァイオリンの歌を時には温かく支え、時には冷たく突き放す第三楽章が良かったと思います。ソロもさすがの演奏で、この曲の持つ魅力を最大限に引き出していたと思います。ソリストのアンコールはヴァインベルクの小曲。ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ等の引用で構成され、次の曲への橋渡しになっていました。

 

そして、後半はショスタコーヴィチの交響曲第4番。どっしりとしたサウンドや、第3楽章のフルート等、木管楽器のテクニックの高さはここでもいかんなく発揮され、強奏部の凄まじい音響には圧倒されました。

それ以上に私が感心したのは、弱奏部の丁寧さ。特に第1楽章の表現が素晴らしく、この曲も美しい部分がこんなにあったのかと初めて実感できました。少しずつ緊張感を高め、強奏部へ持っていくのも見事。決して爆発が唐突に聴こえませんでした。また、フーガの入り等、旋律が流れすぎないよう、ところどころエッジのある表現を求めていたのも、この曲の持つ凶暴さを隅々まで表していたと思います。

 

第3楽章のファゴットのおどけたような踊りから始まる諧謔的な部分が余裕がなく、そこから先は演奏が少し失速したように感じましたが、内容のあるしっかりとした演奏で、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。指揮者のヤツェク・カスプシクは約30年振りの共演とのことですが、2曲とも感銘度の高い素晴らしい演奏をしてくれたと思います。

 

今日のプログラム

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