【レポート】
「スターバックス ラテ」を徹底解剖 - おいしいラテとは何なのか
1 おいしいラテを形成する三大要素
http://news.mynavi.jp/articles/2012/10/02/starbuckslatte/
スターバックスが日本に上陸し、ちょうどその頃からカフェブームも巻き起こった。それから15年ほどが経過。今では大抵のカフェのメニューにはカフェラテが載っている。でも、例えばラーメンやカレーライスが店によって味わいが異なるように、カフェラテだって店によってその味わいが違ってくる。そこで、「おいしいカフェラテとは何なのか」という素朴な疑問をスターバックスに投げかけてみた。
「スターバックス ラテ」。毎日飲んでいるという人も多いことだろう
スターバックスからの返答は次のようなものだった。「おいしいエスプレッソ、おいしいスチームミルク、バリスタの情熱が三位一体となり、おいしい『スターバックス ラテ』が完成します」。ここで更なる疑問。おいしいエスプレッソやスチーミルクとは一体どういうものを指すのだろうか。
完璧なエスプレッソの寿命はたったの10秒
まず、完璧なエスプレッソは、下から「ハート」「ボディ」「クレマ」の3層で、ハートはダークブラウン、ボディはそれに比べるとやや淡く、クレマは中間色となる。「エスプレッソは鮮度が命。ハート、ボディ、クレマから成る理想的なエスプレッソの寿命はたったの10秒。この時間を越えると黒く変色し、味も劣化していきます」。
このエスプレッソを抽出するためには、バリスタによる抽出時間やコーヒー豆の挽き具合の調整が必要で、豆の鮮度管理も重要となる。こういった要素を満たすと、マシンからとろとろと蜂蜜のようなエスプレッソが流れ出てくる。この液体こそがおいしいラテのベースとなるのだ。
次はスチームミルク。ふわふわとしたフォームも魅力のラテだが、スターバックス ラテを飲んだときに「シロップを入れていないのにほんのり甘い」と思った人はいないだろうか。これこそが、「おいしいスチームミルク」である証。「正しいスチーミングでミルクに空気を含ませることで、自然な甘みが増します」。
ちなみにスチームミルクの適温は66℃~77℃。加熱しすぎると焦げたプリンのような風味がして、エスプレッソの香りを損なう。スチームミルクもバリスタの手によりつくられるわけで、スターバックス ラテとは決してボタンを押せばすぐに完成するようなメニューではない。コーヒーに関する知識と経験豊富なバリスタの手によって、1杯1杯心を込めて提供されるドリンクがスターバックスの"最高の一杯"となる。
30年の歴史の中で作り出された「スターバックス ラテ」
そして、このスターバックス ラテは、一朝一夕に出来上がるものではなく、長いスターバックスの歴史の中で作り出されたものでもある。
さかのぼること約30年。現スターバックス・コーポレーション (アメリカ・シアトル本社)CEOのハワード・シュルツ氏がイタリアを訪れたことが、スターバックス ラテの原点といっても過言ではない。
イタリアのコーヒーバーであるバールは、イタリア人にとっては単なる「コーヒーを飲む場所」ではないとシュルツ氏は気づく。バールは朝から夜まで多くの人で賑わい、人々の交流の場となっていた。バールには最高のエスプレッソを入れる職人・バリスタがいて、バリスタが入れたエスプレッソを媒介にして人々が繋がっていく。バールはそんなコミュニティでもあるのだ。そんなエスプレッソにシュルツ氏は感銘を受け、イタリアのバール文化をアメリカに持ち込み、また、イタリアで魅了されたカフェラテを提供しようとも考えた。
翌年の1984年、シアトルのスターバックス店舗内に立ち飲みスペースを設置。バールのコンセプトを試験的に実施してラテを提供したところ、大成功を収める。世界最大のコーヒーチェーンの原点が、店の一角に設けられた小さなコーヒーバーであるということは意外に知られていない事実だろうし、現在のスターバックスとラテが切っても切り離せない関係にあることもお分かりいただけただろう。
ラテのベースとなるエスプレッソ
さて、そんなラテだが、前述のようにベースとなるのはエスプレッソ。その抽出には、最良のアラビカ種を集めた「エスプレッソ ロースト」を使用する。コーヒー豆は当然のことながら農産物で、毎年豆の出来具合や風味は異なる。そのため、ブレンドや焙煎の度合いなどを細かく調整する必要があり、熟練の技が必要となる。
できあがったエスプレッソ ローストは店舗に運ばれ、バリスタの手により完璧なエスプレッソへと姿を変え、ミルクと合わさりスターバックス ラテが誕生する。気が遠くなるような多くの条件をクリアして初めて、一杯のラテが私たちの手元に届くのだ。そんなことを知ったら、いつも飲んでいるラテに対する見方もちょっと変わってくるだろうし、「ああ、今すぐ飲みたい! 」なんて気持ちになった人もいるのではないだろうか。
そんなアナタはぜひぜひ、いますぐスターバックスへ。経験豊富なバリスタと最高の一杯が待っています!