笑いのつぶやき
笑いの散歩101~150
139「鯖(さば)を読む」
ここでのこの鯖は魚のサバのことではなく、都合のよいように数をごまかすことをいう鯖のことです。それでは、毎度のばかばかしいお話しです。
「おい熊、この鯖で、鯖を読んじゃダメじゃないか?」
「おらぁ、魚屋だ。誰が鯖で、鯖など読む」
「だって、鯖の生き腐れというじゃないか」
「だからと言って、この鯖は腐っちゃいないよ」
「ウソつけ、三日前からこうして置いてあるじゃないか、猫だって、ああして避けて通っているじゃないか」
「だからなぁ、八ちゃん、何も買わなくたって良いのだよ。おれは、これで今夜一杯やるから。見ろ、ええ、外見だって腐ったような魚じゃないだろう」
「だからなぁ、さっきも言ったように、鯖の生き腐れと言って、外からこうして見ると何でもないが、中身は腐っているということだよ」
「ああ、無理して買わなくてもいいのだと、さっきから何度も言っているだろう」
「だからなぁ、鯖で、鯖読まず、俺に、ただでくれ」
「バカいっちゃいけないよ、鯖は腐りかけがいちばんうまいのだ。ただどころか、そんな泥棒猫にも劣るサバサバとしないヤツには、この鯖は売らねぇよ」
「おい、熊」
「どうしてもというのであれば、銭を払って持って行け」
「ああ、鯖を読もうとしたら、先に鯖よまれた」
欲をだすからそのようになるのです。確かに、鯖は、鯖の生き腐れと言って、そりゃうまいものです。鯖に限らず、なんでも腐りかけがいちばんという方もいます。でも、素人は注意してください。中毒になったらそれこそ、お仕舞いですぞ。
腐った鯖よりナマズが怖いと 源五郎