ことわざ漫談小話 | 源のブログ

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源のブログへようこそ。笑い話を書くことが好きです。ただ今「ことわざ漫談小話」等の笑い話しを創作発表しています。それに季節ごとの俳句や川柳も投稿しています。最近は「戯れ言」も書いています。作品名は画面右下側フリースペースをご覧ください。

ことわざ漫談小話

ことわざ小話101~150

119「人を呪わば穴ふたつ」

 

 このことわざは、人をのろって殺そうとして墓穴を掘るものは、その報いで自分のための墓穴も掘らなければならなくなる意で、人に悪いことをするものは、そのむくいをうけるとの例えです。

 

「何だ?ええ、権助がため池に落ちたって?」

「ああ、あの悪餓鬼(わるがき)が、天道の罰が当たったのだ。すってんころりと滑って池に落ちた」

「え?罰ですか、一体、何の罰が当たったのですか?」

「権助がなぁ、そのため池に落ちた罰とは、お地蔵さんの、お供えのぼたもちを食って、旨くないと言って、目の前のため池に捨てた、その罰だ」

「へい、その罰でっか!」

「それになぁ、この前は、人の家の甘柿の木に登って、甘柿泥棒はじめた途端、甘柿の木の枝が折れて、その枝とともに地面に落ちて足の骨折った」

「え?足の骨ですか」

「それに、懲りず、学校では人のお弁当を盗んで食って、下痢が止まらず救急隊に運ばれて病院だ」

「まったく、何をやっても懲りない悪餓鬼だ」

「あの悪餓鬼、今度は、何をしでかすか、楽しみだ」

「ところが、随分と真面目になって、学校の先生になったよ」

「え?ヤツも到頭、騙されたなぁ」

お後もよろしいようで「人を呪わば穴ふたつ」でした。

 

でもねぇ、このような悪餓鬼って、昔はいましたね。今は、そんなことはない、粒のそろった太平の世の中ですね。そんな悪餓鬼は、今では随分と出世しています。これ、ホント。

悪餓鬼はナマズときめてかかる 源五郎