笑いのつぶやき
笑いの散歩101~150
123「泥臭い」
この泥臭いとは、ヤツは何という格好しているのだ。あかぬけはしないし、やぼったい格好で、まるで無頓着で泥臭いやろうだぁ、なんで言いますが、まさにこのことを言うのです。それでは、ウソのような本当のばかばかしいお話しをしてまいります。
「係長、時々みかけるあの野暮(やぼ)ったい人は、誰ですか?」
「何?野暮ったいひと??」
「ええ、あの人ですよ、ほら・・あそこにいる人」
「ああ、あれは、ヤボさんだ」
「ですから、あれは誰ですか?いかにも泥臭く、あかぬけしていなく、むさいあの人ですよ」
「だから、あの方はヤボさんだよ」
「係長、さっきからヤボヤボと生半可に返事して、まともに応えてくださいよ」
「だから、お前は知らないのか?あの人は、立派なヤボさんだ」
「ああ、りっぱなヤボさんでしょうが、その名前ですよ」
「え?名前」
「そうですよ、あのヤボの名前です」
「名前はたしか、金太郎とか言っていたなぁ」
「係長、ふざけないでいい加減に教えてください。馴れ馴れしいあの方はだれですか」
「おい、愛子ちゃん。あの方は誰か、このトンチンカンやろうに教えてあげなさい」
「え?僕が、トンチンカン!・・係長も・・他人行儀になって、ええ、それでも僕の上司かよ、ええ!」
「それでは、山田君」
「え?愛子さんまでが・・僕に・・山田君だって・・ええ?」
「あの方は、わが社を創設したヤボ金太郎さまです」
「ええ?創設者の・・ヤボ金太郎・・先生」
「そうです、山田さま」
「ああ、どうりで、ぴったりだ!」
「おい、山田。ええ、何がぴったりなのだ?」
「僕は、ただ、そう思っただけです。理由は何もありません・・はい」
そうです、偉い方にはこんなひともいますから充分注意しないと、こっちが恥をかくときもあります。注意しましょう。
いつになっても泥臭い 源五郎