ことわざ漫談小話
ことわざ小話51~100
99「毒を食らわば皿までも」
ひとたび悪事に手を染めた以上は、徹底的にやりとおす。または、特別害にもならないが利益にもならないこと。それではばかばかしいお話です。
「やい、ヤロウども、わかったなぁ。毒を食らわば皿までも、と言う、立派な格言が俺たちの心にはあるのだ。その言葉を、いざと言う時の合言葉や守り言葉として、おてんとうさまの影に回っちゃ悪事を働くのが俺達の仕事と思え。分かったなぁ」
「親分、これ・・親分たら」
「ええ、誰だ、コウロギが鳴くような遠慮がちに俺さまを呼ぶやつは、もっと大きな声で俺を呼べ、ばか者が」
「親分、今は豪族の金蔵に盗みに入ってやすのに、何もこんな時に朝礼、いや、闇礼はないでしょう。皆が、親分のそのでっかい声で見つかってしまいますよ」
「心配するなぁ。見つかるようなドジじゃねぇ」
「お、親分、向こうから人がきやすよ。感づかれたんだ、親分」
「じたばたするな、いちいち人影に怯えていたんじゃ、こっちとらの仕事はできねぇんだよ」
「でも、ねぇ、親分。一人や二人じゃありませんよ」
「バカ、震えるな。こっちの腕は確かなのだから、二人や三人など片付けるのは造作のない屁のかっぱというものだ」
「ああ、親分、何もこんな時にせつな糞や屁を出さなくたって良いじゃありませんか。臭いし、目にもしみるし、こりゃ親分、自滅ですなぁ」
「バカ、自滅などと情けねぇことは滅多に口に出すな。鼻で息できなかったら口でしろ」
「ええ?親分の糞や屁を・・口でする?」
「バカ、糞を食らわば屁までもと、言ったのだ」
「ええ?屁までも・・へぇ」
お後もよろしいようで、「毒を食らわば皿までも」でした。
いろんな人の道はありますが、泥棒はいけません。それじゃ、ネズミ小僧ジロキチ?はどうなのだ?ですから、ものを盗むのはいけません。
沼のメタンガスを浮き輪にして遊ぶ 源五郎